HRテックとは?メリットや導入方法、導入時の注意点を分かりやすく解説

2022.12.23

近年は、日本でも海外でもHRテック市場が急速に拡大しており、
国内においても採用、タレントマネジメント、離職対策、エンゲージメントほか幅広い分野において、
次々と革新的な新サービスが登場しています。
本記事では、HRテック概要をはじめ、メリットや導入方法、導入時の注意点を解説いたします。

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HRテックとは

“HR テック(HR Tech)”とは、“HR(Human Resource)× Technology”を指す言葉で、一般的に使われているクラウドやビッグデータ、
AIと言った最先端のITの仕組みを使い、採用・育成・管理・評価・配置・エンゲージメントなどを行う手法のことです。
活用することで人事業務を効率化し、生産性を高めることに繋がります。
HRテクノロジーは各種人事業務ごとに様々なものが存在するため、人材育成、人事評価などの人事業務における課題に対して、
どう改善したいかを明確にし、その目的に応じて最適なものを選ぶことが重要です。

HRテックが普及した背景とは

近年の価値観の多様化や労働市場の流動化で、これまでの方法が通用しなくなったことに加え、少子高齢化による人材不足が深刻化しています。
その結果、いかに企業が有能な社員の在籍を維持するか、また、いかに有能な人材を採用するか、そのために自社に対してどのようにして求職者に興味を持ってもらうか、といった面でのHRテックの活用に注目が集まるようになりました。

背景①スマートフォンやタブレットとクラウドの普及

これまでの人事システムは、人事の担当者だけが操作する前提で作られることが多い傾向がありました。しかし、クラウドサービスの普及によって、各従業員が直接スマートフォンやタブレットから必要なデータを簡単に入力出来るようになり、人事業務は大幅に省力化され、
これまでよりも各段に早く正確な情報収集が行われるようになりました。

背景②アナリティクス、分析の機能の強化

ビッグデータを解析する技術が発達したことで、社員の行動データを収集分析することがパソコンでも可能になりました。その分析結果をさまざまな人事業務に活用することで組織開発や業績向上、離職してしまいそうな従業員を見つけ出し、必要な対策を講じるなどの施策が可能になりました。

背景③採用面でのAIの活用

採用は雑務の多い手間のかかる業務であり、近年のように価値観が多様化した労働市場では、担当者の経験だけで企業のニーズにあった人材を
見つけ出すことは難しくなってきています。
そこで、AIによるマッチングを活用すること、担当者の労力を大きく削減出来る点に期待が集まったことでHRテックの普及に繋がりました。

HRテックが導入できる領域

HRテックが普及した今、クラウド版のサービスは数百以上存在するともいわれています。
採用や勤怠管理だけでなく、人事データの管理やワークフローの効率化・人事戦略など、人事部の方々の多様な業務に対して、
さまざまな種類があります。
ここでは、HRテックが活用されている3つの領域を紹介いたします。

領域①人事業務のデータ化・一元管理

人事部では、多くの管理しなければならない情報があります。
働き方や就業環境など勤務体系の多様化が進む中、情報はさらに複雑化しています。
HRテックの導入によって、社員一人一人のスキルや属性、異動歴、研修履歴、人事評価、勤怠などの人事業務に関するさまざまな情報を
データ化し一元管理できるようになります。

領域②業務の効率化

従業員の情報は、入退社時だけでなく人事異動や結婚などの変化に応じて修正・更新が必要となります。
HRテックで一定の業務を自動化することで、作業にかかっていた時間を短縮・削減することができるだけでなく、IT技術によりオペレーションのノウハウを人事管理業務全般に波及させることで、人事関連のオペレーション業務の効率化を図ることができます。

領域③分析したデータの人事施策への活用

人事戦略を検討するにあたり、従業員数が多ければ多いほど、作業工数は大きくなります。HRテックを導入することで、ビッグデータを解析する技術などを用いて社員の行動データを収集分析することができるようになります。さらには、その分析結果を可視化し、人事評価や人材配置などのさまざまな人事施策に活用することができるようになります。

HRテックを導入するメリット

近年、企業の海外進出やM&A、労働力の多様化により、人材の正確な把握を行い、より最適な人材投資を行うことが必然となり、
比例して急速な変化を遂げているHRテックですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、HRテックを導入するとどのようなメリットが生まれるかをご紹介します。

メリット①定型業務の時間削減・効率化

これまで紙で行っていた人事業務をデータ化できることで、その業務にかかっていた人件費コストを削減することができます。
また、テクノロジーの活用によって、従業員の離職予兆を見つけフォローしたり、定着率を高めたりすることで、結果的に採用費のコスト削減にもつなげることができます。

メリット②従業員エンゲージメントへの活用

HRテック関連のサービスは多種多様ですが、特に注目されているのが、人事データの一元管理・可視化・分析、
定型業務の削減・オペレーションの効率化、従業員とのコミュニケーション円滑化による従業員満足度向上です。
特に最近注目されているのが「エンゲージメント」と呼ばれる分野で、社員の会社に対する愛着心や、やる気を数値化し、それを改善することで離職防止や適切な人材配置に繋げることができます。

メリット③マネジメント力の向上

HRテックは、日々のマネジメント業務にも有効です。タレントマネジメントに代表されるように人材の見極めにも活用できることはもちろん、
組織内で意欲が落ちている社員をいちはやく特定し声をかけるしくみをつくるなど、従業員一人ひとりに対応したマネジメントとしても効果を発揮することができます。

HRテックの導入方法

ここまでHRテックの導入できる領域やメリットを紹介してきました。
しかし、実際に導入するとなると検討事項も多く、時間もかかります。
ここからは、HRテックを導入するためには、具体的にどのような流れで進めていけばよいのか、手順を解説していきます。

導入方法①課題の把握

導入するメリットは多くあるHRテックですが、自社に導入する際には、どのようなメリットが生じるのか、つまりは何を目的とするのかを明確にしておくことが必要です。
そのため、最初のステップでは、人事業務の中でどの分野に課題があるのか、どの課題から取り組んでいくのかを明確にします。

導入方法②課題解決に向けたデータ収集

HRテックは、AIに学習をさせるなど、大量のデータを必要とします。また、どのような質のものをシステムに与えていくのかも重要となるため、統計リテラシーの高い人材を中心として、データ収集の方法を今一度見直してみる必要があります。

導入方法③情報システム部門や経営層を巻き込む

多くの場合、人事部主導でHRテックを導入することになりますが、そのメリットを社内のキーパーソンに理解してもらうことが必要です。
HRテックの活用によって人事業務では科学的根拠を元にした判断が可能になり、人という貴重なリソースの強化に繋げることができます。
このような、企業としての新しいメリットを社内の情報システム部門や経営層に理解してもらうことも大切です。

導入方法④サービスを選定する

次に行うのは具体的なサービスの選定です。国内だけでも人事向けのITサービスを提供する企業は数多くあり、選定には時間を要します。
そのためには普段から、IT系のイベントに足を運ぶ、競合他社のシステム導入事例を調べる、取引のあるITベンダーにトレンドを教えてもらうなど、
アンテナを張っておくことが必要です。

HRテックの導入時の注意点

急速に導入が進むHRテックですが、参入企業が多く、多種多様な提供サービスが存在しているため、自社にあったHRテックを導入する際に
迷う企業様も多いのではないでしょうか。最適なHRテックを導入するためにも、以下のポイントを留意しておくことが必要です。

注意点①人材戦略の課題との合致

最適なサービスを選ぶには、自社のビジネスモデルや事業環境、組織を俯瞰したうえで、競争優位を維持するための人材戦略を考え続けることが必須となります。
「事業成長のために、どのような企業文化を作るのか?」 「人事業務の中でアウトソーシングや自動化すべき部分はどこか?」
「逆に内部でやり続けるべき事は何か?」各企業の人事担当は、自社における課題と未来の姿をしっかりと検討した上で、必要なサービスを見極める視点を持ち続けなければなりません。

注意点②運用方法

せっかく導入したとしても、HRテックを活用しきれないといったお悩みを抱える企業様も少なくありません。
人事戦略の中で、HRテックをどう位置づけるか、誰が運用するかなどをしっかりと考えてから導入を行う必要があります。

注意点③個人情報の取り扱い

HRテックを活用する際には、経歴や評価など、従業員の重要な個人情報を収集することとなります。万全なセキュリティ対策を講じ、情報漏洩が起きぬよう、どのように管理していくのか、契約内容に問題がないかを十分に確認し、適切にデータを取り扱う環境を確保することが必要です。

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また、上司は部下に対して、上位目標を現場目標として分解して伝えられると共に、KPIに沿った進捗管理が実施できます。
また従業員は、他者の目標を参照しながら、自身の役割に求められるレベルや自身のキャリアを考えることができます。

まとめ

HRテックは、業務の効率化、離職防止、従業員エンゲージメント向上など、さまざまな人材マネジメント上の課題を解決できるツールとして
期待されています。
少子高齢化が進む日本の企業にとって、蓄積した人事データの分析による科学的根拠を元に、企業の成長のために必要な人財を育て、
獲得する「戦略人事」を実行していくことが重要です。
自社のデータを有効に活用していくためにも、HRテックの活用を検討・導入してみてはいかがでしょうか。

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カシオヒューマンシステムズ コラム編集チーム

カシオヒューマンシステムズコラム編集チームです。
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定期的に「人事部の皆様に必ず今後の業務に役立つ情報」を紹介しています。