東京都清瀬市を拠点に、エディブルフラワー(食べられる花)をはじめ、観賞用花卉の生産・販売を行っています。近年は「東京で新鮮なエディブルフラワーを届けたい」というシェフやレストランからの声を受け、年間を通じて多彩な花を提供。特にレストランや仲卸業者との直接取引を中心に展開し、品質面でも「真似できない出荷体制」としてシェフの皆様から厚い信頼を得ています。また、クリスマスローズやダイヤモンドリリーなど、他にはないオリジナル品種の栽培にも力を入れ、常にオンリーワンの花づくりを目指し、農場スタッフと共に挑戦を続けています。
導入前は受注手段が分散し、LINEやMessenger、メール、FAXなどお客様ごとに異なる方法で注文が届いていました。そのため深夜や休日にも依頼が入り、スタッフは「対応しないと注文漏れにつながる」という不安から時間外でも応じてしまい、常に気が休まらない状況でした。受注後の内容整理や注文管理も人手で行う必要があり、特定の担当者を通さなければ業務が回らないなど属人化のリスクも抱えていました。さらに観賞用花卉は個体ごとに価格が異なり、システム登録が難しく「手入力の方が早い」となるケースも多発。こうしたことから業務効率は低下し、スタッフのストレスや負担も大きく、仕組みの改善が急務となっていました。
最大のきっかけは、受注業務を担っていたスタッフの退職でした。個人のLINEに依存した受注体制は属人化のリスクが大きく、「誰でも対応できる仕組み」をつくる必要性を痛感しました。ちょうどその頃、BC受発注のご案内をいただき、利用中の販売管理システム「EZ販売管理」との親和性が高いこともあり導入を決断しました。メールやSNSなど多様な注文経路を一本化できる点や、Web上でシンプルに利用できる操作性は、私たちにとって非常に魅力的でした。長年「効率化したい」と考えながらも忙しさで後回しになっていた課題に、ようやく取り組む好機が訪れたと感じています。
受注窓口をBC受発注に一本化しました。アプリ導入の必要がなく、得意先が最も簡単に使えるシステムだと感じ導入を決断しましたが、その選択は大正解でした。導入後は得意先からの問い合わせがほとんどなく、スムーズに利用いただけています。ただし受注通知がメールのみだと確認漏れの恐れがあるため、他社のクラウド連携ツールと併用し、受注情報をリアルタイムに共有できる体制を構築しました。これにより受注チャネルの一元管理が実現しています。さらにお知らせ画像も活用し、インスタグラムに掲載していた写真を月1回更新のお知らせ画像に掲載しています。おすすめ商品や出荷カレンダーを同時に提示することで、顧客への情報発信も効率化が実現しています。
導入効果は大きく二つあります。第一に業務効率化です。伝票作成や転記作業の時間が2割以上削減され、受注漏れも減少。スタッフの負担が軽くなり、休日や深夜対応といったストレスも大幅に軽減しました。第二に組織体制の強化です。受注情報がシステム上で共有されることで属人化が解消され、誰でも対応できる仕組みに変わりました。その結果、安心して業務を回せる体制が整いました。さらに、お客様にとっても「決まったメニューから簡単に発注できる」利便性が向上。標準化したお任せパックや定番アイテムで効率的に案内しつつ、長年のお取引先には柔軟に対応することで、効率とサービス品質の両立を実現しています。加えて、導入時には「お客様へのサービス提供をどうあるべきか」を社員同士で議論する良い機会となり、社内の意識共有にもつながりました。結果として、社内外双方の満足度が高まり、「品質の高い花を安定して届ける」仕組みづくりに大きく貢献しています。