コラム

米穀業界は、生産者からの玄米の仕入れ、自社工場での精米やブレンド、そして小売店や飲食店、給食センターへの納品と、流通工程が非常に複雑です。しかし、日々の受発注業務においては、いまだに電話やFAXといったアナログな手法が主流であり、人手不足や業務負担の増加に頭を悩ませている事業者が少なくありません。
ここでは、米穀業特有の業務フローを振り返りながら、現場が直面している受発注業務の課題と、システム導入によってそれらをどのように解決できるのか、実際の導入事例を交えて解説します。
目次
まずは、米穀業ならではの業務特性を整理し、なぜ受発注業務の負担が大きくなりやすいのか、その背景をみていきましょう。

米穀卸売業の仕事は、単に商品を右から左へ流すだけではありません。
生産者やJAから玄米を仕入れた後、自社工場で精米し、異物除去や色彩選別を行い、場合によっては顧客の要望に合わせてブレンドを行います。そして、その後、パッキングしてスーパーや飲食店、病院、給食センターなどへ納品します。
精米という加工プロセスが含まれるため、受注から納品までのリードタイム管理が非常に重要です。また、商品自体が重量物であるため、配送計画も綿密に立てる必要があります。
多くの米穀卸売業者にとって、大きな負担となっているのが受発注業務です。
飲食店などの得意先は営業時間が夜遅くまで及ぶため、注文は閉店後の深夜にFAXで送られてきたり、留守番電話に残されたりすることが一般的です。一方で、お弁当屋や小売店からは朝一番に電話で注文が入ることもあり、受注のタイミングがバラバラで対応に追われがちです。
さらに、扱う商品情報は銘柄、等級、産年、精米歩合、そして取引単位(kg、袋など)と多岐にわたります。これらを正確に聞き取り、配送手配を行うには専門知識が必要であり、誰でも簡単にできる業務ではありません。
アナログな手法での受発注業務は、具体的にどのような問題を引き起こしているのでしょうか。米穀業の現場でよく聞かれる課題を挙げます。

朝の忙しい時間に注文の電話が鳴り止まず、事務員だけでなく営業担当や配送スタッフまで電話対応に追われるケースは珍しくありません。
「いつものお米を10袋持ってきて」といった曖昧な発注が含まれることがあり、特に担当者が不在のケースでは、前回の注文履歴を確認したり、どの銘柄かを聞き返したりするのに時間がかかります。
結果として、本来行うべき精米作業や配送準備の手が止まってしまい、業務全体の遅延を招く原因となるのです。
FAXや電話による受注は、ヒューマンエラーが起こりやすい環境と言えます。FAXの文字がかすれて読み取れずに数量を間違えたり、電話の聞き間違いで精米歩合を間違えたりといったミスが発生しがちです。
お米は重量があるため、配送ミスが起こった場合に再配送するための労力やコストは甚大です。また、急ぎの対応が必要になることで、他の配送スケジュールにも悪影響を及ぼしてしまいます。
米穀業では、得意先ごとに細かい要望に応えているケースが多くあります。「A寿司店専用のブレンド比率」や「B店は特別単価で卸している」といった情報は、ベテランの担当者の頭の中にしかないこともあるでしょう。
このように業務が属人化してしまうと、その担当者が不在の時や退職した時に、誰も対応できなくなってしまう恐れがあります。引き継ぎにも膨大な時間がかかり、組織としての柔軟性が損なわれやすいのです。
こうした課題を解決するための有効な手段として、受発注システムの導入が挙げられます。

受発注システムとは、得意先がパソコンやスマートフォンを使って、インターネット経由で直接注文を入力できる仕組みです。
受発注システムの導入により、電話やFAXでの注文がシステム経由に切り替われば、受注対応にかかる時間は大幅に削減されます。得意先にとっても、過去の履歴から「いつもの」商品をタップするだけで注文できるため、利便性が向上します。
また、システム上で正確な商品や数量が選択されるため、聞き間違いや読み間違いによるミスも防げます。24時間365日いつでも注文を受け付けられるようになるため、機会損失の防止にもつながるでしょう。
メリットの多い受発注システムですが、導入にあたってはいくつか注意点があります。
まずはコスト面です。初期費用や月額費用が発生するため、削減できる人件費や業務効率化の効果と照らし合わせて検討する必要があります。
また、米穀店や個人の飲食店など、ITツールの操作に不慣れな得意先が多い場合は、丁寧な案内やサポートが必要です。導入時には、誰でも直感的に操作できる、使いやすいシステムを選ぶことが成功の鍵となります。
実際にシステムを導入した米穀卸売業者は、どのような効果を得ているのでしょうか。2つの事例をご紹介します。

岡山県で鶏卵や米の販売を行う株式会社岡ビル原田商店様は、ホテルや病院、飲食店など500件以上の取引先を抱える老舗企業です。
同社では、電話やFAXに加え、近年ではメッセージアプリを通じた個人的な注文も増え、受注方法が多岐にわたっていることが課題でした。他の業務中に受けた電話注文を忘れてしまったり、メモを紛失してしまったりといったトラブルが発生していたほか、深夜営業の飲食店から業務時間外に連絡が入ることもあり、対応に苦慮していたと言います。
そこで、得意先からの要望もあり、カシオの「BC受発注」を導入。バラバラだった注文窓口を一本化しました。その結果、聞き間違いやメモの紛失がなくなり、業務時間外の電話対応からも解放されたと言います。お客様の利便性向上に応えることが、結果として自社の業務改善と競合他社との差別化につながった好例です。
株式会社岡ビル原田商店様の事例はこちら

札幌市で飲食店向けに米や酒類、調味料などを卸す有限会社KAヤマシタ様は、ラーメン店向けの食材に強みを持つ企業です。
約5,800点にも及ぶ膨大な商品数を扱っているため、電話注文を受ける際には商品知識や経験が不可欠でした。特に早朝担当のパートスタッフにかかる負担は大きく、そのスタッフが休むと業務が回らない「属人化」も深刻な課題になっていました。また、商品コードの入力や型番の打ち直し作業にも多くの時間を割かれていたと言います。
そこで、販売管理システム「楽一」との連携がスムーズな「BC受発注」を導入し、営業担当者がチラシを配って地道に案内を行いました。その結果、わずか4ヶ月で全得意先の約半数にあたる160件がWEB発注へ切り替えました。受注データが自動で取り込まれるようになったことで、作業時間は従来の1/4まで大幅に短縮。誰でも受注処理ができる体制が整い、属人化の解消にも成功しているとのことです。
有限会社KAヤマシタ様の事例はこちら
米穀業の受発注業務は、商品の多様性や取引先の多さ、そしてアナログな商習慣から煩雑になりがちです。しかし、事例で紹介したように、受発注システムを導入することで、業務の効率化だけでなく、ミスの削減や少人数運営といった大きなメリットが得られます。
人手不足が深刻化する中、システムによる業務改善は、今後の経営を支える重要な一手となるでしょう。
カシオの受発注システム「BC受発注」を導入することで、受発注業務の省力化が可能になります。得意先がスマートフォンなどで発注した内容を、管理画面で一元管理。発注が来た時にはアラートによって即時通知が行われるため、作業漏れを防げます。
煩雑な手書きメモやFAXから解放され、書類も減少するため、事務作業の負担も大きく軽減されます。これまで時間と労力を要していた受発注業務が、このシステムによって大幅に簡略化され、作業環境が改善されること間違いなしです。
また、各社販売管理システムとの連携も可能。特に、BC受発注と同じカシオ製の販売管理システム「楽一」を一緒に使えば、シームレスに連動しデータ入力の手間もなくなるのでヒューマンエラーをなくせると同時に、業務の効率化が一層進みます。
以下のページでは、BC受発注について詳しく紹介しているので、ぜひ導入の参考にご覧ください。
https://www.casio-human-sys.co.jp/bc-order/
