私学共済は確定申告が必要?年金などケースごとに解説

私学共済は確定申告が必要?年金などケースごとに解説

私学共済に加入している場合、年金の受給や医療費の給付、脱退一時金の受け取りなどによって、確定申告が必要になるケースがあります。また、私学教員でも副業所得や住宅ローン控除、医療費控除などがある場合は、自分で確定申告を行うことが必要です。本記事では、私学教員の確定申告が必要になるケースや、私学共済加入者がとくに注意したい手続きについて解説します。

製品の詳細を知りたい方はこちら

私学教員は一般的に確定申告は不要

私学教員は一般的に確定申告は不要

私学教員は、勤務先で年末調整が行われることが一般的です。そのため、給与収入のみで控除内容にも大きな変更がない場合は、基本的に自分で確定申告を行う必要はありません。

一方で、年末調整では対応できない所得や控除がある場合は、個人で確定申告を行う必要があります。

自分が申告対象になるかは、収入の種類や金額、利用できる控除の有無によって異なります。

私学共済に関する経理業務や年末調整業務を効率化したい学校法人は、「学校法人版ADPS(アドプス)」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

私学教員でも確定申告が必要な11ケース

私学教員でも確定申告が必要な11ケース

私学教員は、給与以外の収入や各種控除の有無によって、確定申告が必要になる場合があります。ここでは、私学教員が確定申告を検討すべき主な11のケースについて解説します。

1.給与が2,000万円を超える

給与収入が2,000万円を超える場合は、勤務先で年末調整を受けられないため、自分で確定申告が必要です。私学教員の場合、一般的には該当しにくいものの、一部の私立学校の校長や教頭など、給与水準が高い役職者は対象になる可能性があります。

該当する場合は、勤務先から発行される源泉徴収票をもとに、期限内に申告手続きを行わなければなりません。

2.副業や株式売買で所得が20万円を超える

副業や株式売買などによる所得が年間20万円を超える場合も、原則として確定申告が必要です。ここでいう所得とは、売上や収入そのものではなく、必要経費を差し引いたあとの金額を指します。

たとえば、原稿執筆や株式売買などで収入があっても、経費を差し引いた所得が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。ただし、私学教員の副業可否は勤務先の規程によって異なるため、事前に就業規則や学校側の方針を確認してください。

3.勤務先で年末調整を受けていない

勤務先の学校で年末調整を受けていない場合は、自分で確定申告をしなければなりません。確定申告をする際は、勤務先から源泉徴収票を発行してもらい、1年間の給与収入や源泉徴収税額をもとに申告書を作成します。

なお、給与を支払う学校は、年末調整を行うことが法令で義務付けられています。そのため、年末調整が行われていない場合は、まず勤務先の総務・経理担当者に確認し、対応を依頼してください。

ただし、何らかの事情で勤務先で所得税の過不足が精算されていない場合は、源泉徴収票をもとに自分で確定申告が必要です。年末調整を受けていないと、学校の税務上の問題につながる可能性もあるため、早めに確認しておくことが大切です。

4.12月31日時点で離職して再就職していない

年内に私立学校を離職し、12月31日時点で再就職していない場合も、自分で確定申告を行う必要があります。年末調整は、原則として年末時点で勤務先に在籍している従業員を対象に行われます。したがって、離職後に勤務先がない場合は、税額の精算ができません。

一方、年内に別の学校や企業へ転職している場合は、前職の源泉徴収票を新しい勤務先に提出することで、前職分を含めて年末調整をしてもらえます。退職後に再就職していない場合は、退職した勤務先から源泉徴収票を受け取り、確定申告の準備を進めてください。

5.ふるさと納税や寄附を行った

ふるさと納税や寄附を行った場合、寄附金控除を受けるために確定申告が必要になることがあります。ふるさと納税については、寄附先の自治体数が5自治体以内であることなど、一定の条件を満たせばワンストップ特例制度を利用でき、確定申告をせずに控除を受けることも可能です。

ただし、医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告を行う場合は、ワンストップ特例制度を申請していても、その年のふるさと納税分をあわせて申告が必要です。つまり、寄附先の自治体が6自治体以上、または確定申告を行う場合はワンストップ特例の申請が無効になるため、ふるさと納税分もあわせて申告する必要があります。

6.住宅ローンでマイホームを取得した

住宅ローン控除を初めて受ける場合は、確定申告が必要です。控除を受けるには、床面積や所得、住宅ローンの返済期間などの条件を満たしたうえで、年末時点の住宅ローン残高をもとに控除額を計算します。

私学教員は勤務先で年末調整を受けることが一般的ですが、住宅ローン控除を初めて受ける年は、自分で確定申告を行わなければなりません。ただし、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きできるため、必要書類を学校の総務・経理担当者へ提出してください。

7.災害や盗難の被害を受けた

災害や盗難によって住宅や家財などに損害を受け雑損控除を受ける場合は、確定申告が必要です。雑損控除は、地震や台風、火災などの災害だけでなく、盗難や横領による損害も対象です。

また、本人だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の資産に損害があった場合も、一定の条件を満たせば控除の対象になります。被害を受けた場合は、損害額や保険金などで補てんされた金額を確認し、必要書類をそろえて確定申告を進めてください。

8.年末調整後に控除が受けられるようになった

年末調整を受けたあとに控除の対象となる事情が生じた場合は、年末調整のやり直し、または確定申告によって税額を精算することが必要です。たとえば、家族が増えて扶養控除の対象になった場合や、年末調整後に災害の被害を受けた場合などが該当します。

年末調整のやり直しを希望する場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」など必要書類を、原則として翌年1月末までに勤務先へ提出します。勤務先で再調整ができない場合や、提出期限に間に合わない場合は、自分で確定申告を行わなければなりません。

9.一定額以上の年金を受け取っている

公的年金等の収入が年間400万円を超える場合や、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。私学共済から受け取る年金も公的年金等に含まれるため、受給額が基準を超える場合は、自分で申告手続きを行う必要があります。

10.医療費控除を受けようとしている

1年間に支払った医療費が一定額を超える場合は、確定申告を行うことで医療費控除を受けられます。医療費控除は年末調整では手続きできないため、勤務先で年末調整を受けている私学教員でも、自分で確定申告を行う必要があります。

医療費控除の対象になるのは、病気やけがの治療を目的として支払った医療費です。美容目的の施術や健康増進を目的とした費用は対象外となるため、領収書や医療費通知を確認しながら、控除対象となる費用を整理しておくことが大切です。

11.退職金を受給したものの、申告書を提出していない

退職金を受け取った際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、確定申告が必要になることがあります。退職金は通常、申告書を提出していれば退職所得として適切に税額が計算され、源泉徴収によって課税手続きが完結します。

一方、申告書を提出していない場合は、退職金の支払額に対して一律で所得税が源泉徴収されるため、本来の税額よりも多く差し引かれている可能性が高いです。退職時に申告書を提出していない場合は、必要に応じて確定申告を行うことで所得税の還付を受けられる可能性があります。

私学共済加入者がとくに注意したい確定申告のケース

私学共済加入者がとくに注意したい確定申告のケース

私学共済に加入している場合は、一般的な給与所得者の確定申告に加えて、年金や医療費、脱退一時金などの扱いにも注意が必要です。ここでは、私学共済加入者がとくに確認しておきたい確定申告のケースを解説します。

私学共済の年金を受け取っている

私学共済の年金を受け取っている場合は、源泉徴収票の内容を確認し、申告の要否を判断します。公的年金等の収入金額が年間400万円を超える場合や、公的年金以外の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

一方、在職中の場合や所得税法上、非課税とされる遺族年金や障害年金を受け取っている場合は、年金所得に関する確定申告は不要です。

10万円を超える医療費を支払っている

1年間に支払った医療費が10万円、または総所得金額等の5%を超える場合は、医療費控除の対象となり、確定申告が必要です。

医療費控除額は、以下の計算式で算出します。

(実際に支払った医療費の合計額)-(保険金などで補てんされる金額)-(10万円 ※)

※ 所得金額合計が200万円未満の場合は、所得金額合計×5%となります。

私学共済に加入している場合は、短期給付制度によって支給された給付金や保険金などの補てん額を差し引いてください。

外国人加入者が脱退一時金を受け取っている

私学共済に加入している外国人の方が脱退一時金を受け取る場合は、受給者の居住状況や税務上の取扱いによって、確定申告が必要になることがあります。脱退一時金は、日本国籍を有しない加入者が、一定の加入者期間や退職などの要件を満たした場合に受け取れる一時金です。

脱退一時金を受け取る際は、原則として20.42%の所得税が源泉徴収されます。そのため、本来納めるべき税額よりも多く源泉徴収されている場合は、確定申告を行うことで所得税の還付を受けられる可能性があります。

「学校法人版ADPS(アドプス)」なら私学共済の経理業務に対応

「学校法人版ADPS(アドプス)」なら私学共済の経理業務に対応

私立学校の総務・経理業務では、給与計算や年末調整に加えて、私学共済に関する届出や帳票作成への対応も必要です。とくに私学共済の定時決定・随時決定処理や、届出帳票・データ出力などは、学校法人の総務・経理担当者に負担がかかりやすい業務です。

学校法人版ADPS(アドプス)」は、私立学校(大学・高等学校)の人事・給与業務に対応した人事管理システムです。月次給与計算や賞与計算などの基本機能に加えて、私学共済対応や退職金財団対応、年末調整の名寄せ対応など、学校法人ならではの業務にも対応しています。

私学共済に関する経理業務や年末調整業務を効率化したい学校法人は、「学校法人版ADPS(アドプス)」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

製品の詳細を知りたい方はこちら

私学共済の確定申告が必要なケースを理解しよう

私学共済の確定申告が必要なケースを理解しよう

私学教員は勤務先で年末調整が行われることが一般的であるため、基本的には自分で確定申告をする必要はありません。ただし、特定の条件下では、確定申告が必要になるケースがあります。

また、私学共済の年金を受け取っている場合や、医療費に対して私学共済から給付を受けている場合、外国人教職員が脱退一時金を受け取る場合などは、取扱いにも注意が必要です。源泉徴収票や医療費通知、給付内容などを確認し、自分が確定申告の対象になるかを判断してください。

なお、学校法人の総務・経理担当者は、年末調整や給与計算に加えて、私学共済に関する届出や帳票作成にも対応が必要です。正確な手続きを進めるためにも、私学共済に対応したADPS 学校法人版の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

製品の詳細を知りたい方はこちら

カシオヒューマンシステムズ コラム編集チーム

カシオヒューマンシステムズコラム編集チームです。
人事業務に関するソリューションを長年ご提供してきた知見を踏まえ、
定期的に「人事部の皆様に必ず今後の業務に役立つ情報」を紹介しています。