納品書の保管期間は何年?会社法と税法で違う保存期間の考え方
最終更新日:2026.5.29
会社間の取引でお客様へ商品を納品する際に発行する納品書は、保管期間が定められているため、法定の期間内は処分せずに社内で保存する必要があります。受領した側だけではなく、発行側も納品書の控えを保存しておかなくてはいけません。また、その保管期間も会社法と税法で異なるため、取り扱いには注意が必要です。こちらでは、その保管期間や管理しやすい保存方法、納品書以外で保存すべき書類についても解説していきます。
目次
1. 納品書の保管期間はいつまでなのか?
納品書そのものに一律の作成義務はないものの、作成・受領した納品書は取引に関する書類として一定期間の保存が必要になります。法人と個人事業主、また税法と会社法では保存期間の考え方が異なるため、取り扱いには注意しましょう。
1-1. 税法では原則7年、会社法では10年
納品書の保管期間が異なるのには理由があります。税法の場合は、脱税が発覚した際に遡って追徴課税ができる期間、会社法の場合は、民事時効の年数を考慮し、保存義務が課せられています。
1-1-1.税法
会社が計算書類を作成するのは株主などに会社の経営状態を知らせる意味合いもありますが、納税額を正しく算定するためという意味も持ちます。法人税法では、法人税を正しく納めてもらうために、納品書や見積書、請求書などの証憑書類の保存を義務付けています。
その期間は原則として「7年」で、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から起算します。また、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた場合などには、保存期間が10年間に延長されることがあります。
なお、インボイス制度に対応した適格請求書(およびその写し)は、消費税法上、課税期間の末日の翌日から2か月経過後7年間の保存が必要です。納品書がインボイスを兼ねる場合も同様の保存期間が適用されます。
1-1-2.会社法
会社法では株式会社に対して、会計帳簿の閉鎖から10年間、会計帳簿や事業に関する重要な資料を保存することを義務付けています。納品書についても、契約上のトラブルや取引内容の確認に備え、10年間保存しておくと安心です。
なお、個人事業主には会社法上の保存義務は適用されません。白色申告の場合は原則5年間、青色申告の場合は原則7年間の保存が必要です。ただし、消費税の課税事業者で適格請求書(インボイス)に該当する書類を受領・発行している場合は、申告区分にかかわらず7年間の保存が必要です。
1-2. 納品書以外にはどんな書類を保管すべきか
納品書は、会社が保存すべき書類の一例に過ぎず、納品書さえ保存していればいいというものではありません。他にも長い間保存し続けなければならないものが存在します。
例を挙げると、見積書や請求書、領収書、レシートなども保存しなければなりません。また近年では、電子取引が行われることも多くなっています。電子取引で授受した納品書や請求書などのデータは、電子帳簿保存法に従い、原則として電子データのまま保存する必要があります。
保存期間は、紙の書類と同じく、その書類に適用される保存期間に従います。領収書やレシートの他には、総勘定元帳や仕訳帳、売掛金元帳、現金出納帳といった帳簿についても保存が必要です。
2. 納品書やその他書類の保管方法
納品書をはじめ、保管が義務付けられている書類は多く、最長で10年間保存しなければなりません。そのため、紙面で送られてくることの多い納品書やその他書類は保管しているうちにかさんでしまい、紛失のリスクだけではなく、確認すべきタイミングで見つからないことも考えられます。また、2024年1月以降は、納品書や請求書等のデータを電子帳簿保存法に沿って保存する必要もあります。紙の書類とは保存方法が異なるため、電子取引の場合はデータの保管方法に注意が必要です。
2-1. ファイリングして保管する
納品書やその他の書類は、7年や10年という期間が経過することで、数え切れないほど溜まります。そのため、適切に保存をしていなければ、特定の納品書を見つけることが困難になります。書類を山積みにしているような状態では探し出すことは難しくなってしまうでしょう。そのため、書類を分かりやすく保存するために、ファイリングをするのが簡単でおすすめです。最低でも事業年度ごとに分けてファイリングし、保存しておきましょう。
保管書類が大量になる場合、オフィスや倉庫に置き切れなくなることも考えられます。そのような場合は倉庫などを借りて保存しましょう。ただし、会社の信用問題にかかわる書類ですので、セキュリティ面などに配慮して倉庫業者を選択する必要があります。
2-2. レシートの保管方法
商品の購入時に渡されるレシートも保存する必要があります。しかし、レシートの場合、使われている紙の性質により、他の書類に比べて文字が消えやすくなる場合があります。また、サイズも通常の書類に比べて小さく、発行元によってサイズに違いがあるため、保存には配慮が必要です。レシートの保存については、専用のノートを作り、レシートを貼って保存する方法があります。そうすることでレシート同士がこすれて文字が消える可能性も低くなり、後に見直す際にも見やすくなります。レシートを貼る際には、付近のスペースに文字が消えたときのためにメモを記載するのもよいでしょう。
2-3. 月別か取引先別かで違う保管方法
納品書やその他の書類の保存は、事業年度ごとに分けてファイリングするのが基本です。書類の数が多い場合には、年度別でまとめているだけでは管理しにくくなるケースも考えられます。そこで、年度別に分類したものをさらに月別、もしくは取引先別で分類することで探しやすくなり、管理もしやすくなります。月別で分類する場合は、調べる際に発行時期が分かっていれば素早く見つけられますが、毎月の発行量が多い場合は管理に手間がかかってしまうことも考えられます。一方、取引先別に分類する場合は、取引数が少なければすぐに見つけられるものの、取引数が多い場合はファイリング量が増えてしまうため、こちらも管理が大変になります。どちらの管理方法もメリットとデメリットがあるため、その自社にあった方法を選択し、管理していくのがいいでしょう。
2-4.電子取引の場合のデータ保管方法
取引先から来る納品書などの書類がPDF等の電子データの場合は、紙に印刷して保管するだけではなく、電子データのまま保存する必要があります。
「取引年月日」「取引金額」「取引先」を含んだファイル名にして、税務署職員より提出を求められた時に確認できるようにしておきましょう。また、Excelなどの表計算ソフトで「取引年月日」「取引金額」「取引先」が入力された一覧表を作成し、検索できる状態にしておく方法も有効です。
なお、基準期間の売上高が5,000万円以下の場合など、一定の要件を満たす場合には、検索機能の確保が不要となるケースもあります。
3. まとめ
ご紹介したように、納品書は取引に関する重要な書類であり、法人の場合は税法上、原則7年間の保存が必要です。会社法上の保存義務も踏まえると、10年間保存しておくと安心でしょう。
個人事業主の場合は白色申告で原則5年、青色申告で原則7年です。ただし、消費税の課税事業者で適格請求書(インボイス)を扱う場合は、申告区分にかかわらず7年間の保存が必要です。また、保存する際は事業年度ごとにまとめ、さらに取引数や状況によっては月別や取引先別に分けることもおすすめです。
保存期間だけでなく、どのように管理するかも重要になります。自社にあった管理方法を選択し、管理にかかる手間を削減していきましょう。

