コラム

生鮮品や加工食品、冷凍食品など多種多様な商品を扱う総合食品卸業には、賞味期限管理や温度帯管理といった複雑な業務が伴います。また、得意先が深夜や早朝に発注を行うケースも少なくなく、電話やFAXなどでの受注を行っている場合、現場の負担は大きくなりがちです。
ここでは、総合食品卸ならではの課題と、受発注システムの導入メリットや選定ポイントを解説し、実際の成功事例を紹介します。
目次
まずは、総合食品卸業ならではの業務特性を整理し、なぜ受発注業務の負担が大きくなりやすいのか、その背景をみていきましょう。

総合食品卸業が扱う商品は「常温」「冷蔵」「冷凍」の3温度帯にまたがります。それぞれに適した保管・配送が必要なため、管理業務が複雑になります。
また、食品の賞味期間の前半3分の1以内に納品する「3分の1ルール」などの商慣習があり、賞味期限の管理にも手間がかかります。期限管理でミスが発生すると、返品や廃棄ロスに直結するため、現場には常にプレッシャーがかかっていると言えるでしょう。
得意先である飲食店やスーパーマーケットは、営業終了後に発注を行うことが一般的です。そのため、卸売業者の元には、夜間に大量のFAXやメール注文が届きます。
翌朝これらのFAXやメールを確認し、手作業で販売管理システムに入力しなければなりません。文字が読めずに確認の電話を入れたり、調味料のサイズ違いやメーカー違いといった類似商品を特定するのに時間がかかったりと、大変手間のかかる作業です。
こういった状況から、特定の担当者しか得意先が求めている商品を判別できない「属人化」も起きやすくなっています。
近年、在庫リスクを減らしたい店舗側のニーズにより、従来よりも高い頻度で納品するケースが増えています。納入する商品の量は変わらなくても、配送回数が増えることで伝票枚数が激増するため、入力作業やピッキングリスト作成などの事務負担も大きくなっています。
従来の、書類をベースとしたアナログな処理方法のままでは、増え続ける業務量に対応しきれなくなりつつあるのが現状と言えるでしょう。
こうした課題を解決するための有効な手段として、受発注システムの導入が挙げられます。ここでは代表的なメリットを見ていきましょう。

近年、利用が増えている「受発注システム」は、インターネットを用いて受発注を行うシステムです。
得意先はパソコンやスマートフォンから発注ページにアクセスして、直接注文を入力します。そのため、これまでFAXを見ながら手入力していた作業や、電話対応していた時間が大幅に削減できます。
早朝の伝票入力業務がなくなることで、在庫管理や配送手配など、本来注力すべき業務に時間を使えるようになります。また、浮いた時間で得意先への提案営業もできるようになるでしょう。
受発注システム経由の受注なら、手書き文字の読み間違いや、聞き間違いによる入力ミスがなくなります。また、得意先自身が商品を選択して注文するため、「言った言わない」のトラブルも防げます。
システム上で商品の詳細(規格・入数・画像など)も確認できるようになるので、商品に関する問い合わせ対応も減らせるでしょう。
さらに、正確な受注データに基づき出荷作業を行えるようになり、誤出荷のリスクも劇的に下がります。
導入する受発注システムと販売管理システムによっては、互いのデータを連携できます。
データを連携すると、受注と同時に在庫が引き当てられます。リアルタイムで正確な在庫状況を把握できるようになり、欠品や過剰在庫を防げます。
また、賞味期限の近い商品から先に出荷する、いわゆる「先入れ先出し」も、システム上で管理できるようになります。こうした積み重ねが、廃棄ロスの削減に大きく貢献します。
受発注システムであれば、得意先は24時間いつでも自分の都合の良い時間にスマートフォンから発注できるようになります。
特に、毎回の注文内容が固定化されている得意先であれば、過去の注文履歴から再注文ができるようになるため、発注作業自体が楽になります。FAXの送信エラーや、電話が繋がらないストレスからも解放され、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
総合食品卸業に最適な受発注システムを選ぶためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。

総合食品卸業で受発注システムを利用する場合、軽減税率への対応や、不定貫(量り売り)商品、ケース単位・バラ単位の自動変換など、業界特有の機能が求められます。
これらの機能が不足すると現場に手作業が残ってしまい、導入効果が半減しかねません。食品業界での導入実績が豊富なシステムを選ぶことが大切と言えるでしょう。
すでに販売管理システムを導入している場合、新しく導入する受発注システムとデータ連携できるかも重要なポイントです。
連携できると、受注データを手作業で移し替える必要がなくなり、入力の手間やミスを大幅に減らすことができます。導入前に、API連携やCSV連携など、自社の環境に合った連携が可能かを確認しましょう。
受発注システムを導入しても、現場で使われなければ意味がありません。得意先や従業員にとって使いやすいシステムであることは非常に重要です。
特に、ITツールの操作に不慣れな得意先が多い場合、操作の分かりやすさは非常に重要になります。自社で操作する画面だけでなく、発注画面が直感的に操作できるデザインかを確認しましょう。
また、導入時のサポート体制は充実しているかなどをチェックし、万が一トラブルが起きても安心感のあるシステムを選びましょう。
実際にシステムを導入した総合食品卸業者は、どのような効果を得ているのでしょうか。ここでは、2つの事例をご紹介します。

神奈川県で総合食品卸を営む立富株式会社様は、ホテルや飲食店を中心とした、約400~500件ある得意先に食材を届けています。
1日約150件ある受注は、電話、FAX、営業担当者への直接注文、さらに得意先のシステムなど多岐にわたり、受注業務に毎日5時間を費やしていました。読み間違いによる入力ミスも発生しやすく、誤出荷を防ぐためのチェック作業も大きな負担となっていたとのことです。
そんな折、得意先からのシステム導入の要望もあり「BC受発注」を導入。得意先への丁寧な説明の結果、約半数がBC受発注経由の発注に切り替え、入力業務を30分ほど削減できました。特に転記作業の負担が減ったことで、精神的な負担を軽減できたと言います。
立富株式会社様の事例はこちら

愛媛県で総合食品卸を行う株式会社松宮様は、惣菜や冷凍食品など約2万点の取扱商品があり、FAX・電話中心のアナログな受注業務に限界を感じていました。
手書きFAXの判読のしづらさや、商品知識のない担当者が注文内容を判断できない「属人化」が問題となっており、確認作業や入力ミスも後を絶ちませんでした。
そこで、得意先からの要望をきっかけに「BC受発注」を導入。移行作業に数ヶ月を要しましたが、結果的に受注業務にかかる時間が大幅に削減され、商品入れ替えに伴って毎月行っていた注文書の修正も不要になったと言います。
株式会社松宮様の事例はこちら
総合食品卸業は、扱う商品の幅広さと管理の難しさから、受発注業務が複雑になりがちです。
しかし、受発注システムを導入することで、アナログ業務の負担から離れ、正確かつ効率的な業務フローを確立できます。
ここで紹介した事例のように、まずは一部の得意先からでもデジタル化を始めることが、業務の生産性向上への第一歩となるはずです。
カシオの受発注システム「BC受発注」は、受発注プロセスの改善に貢献します。
得意先が専用ページから行った発注は一元管理され、発注があると、即座にメールやダッシュボード上に通知が届き、発注の見落としがなくなります。また、軽減税率や不定貫商品への対応など、食品卸売業特有のニーズにも細やかに対応可能です。
発注内容を確認した後は、「受注取り込み」機能から、販売管理システム「楽一」などにデータ連携も可能。手作業を減らすことで、データ入力の手間やミスを大きく減らせます。
以下のページでは、BC受発注について詳しく紹介しています。検討の参考にぜひご覧ください。
https://www.casio-human-sys.co.jp/bc-order/
