CASE STUDIES

導入事例

人事統合システム ADPS 導入事例
カシオ計算機株式会社様
カシオ計算機株式会社様

■所在地:東京都渋谷区 ■業種:製造 ■従業員数:9,732名(連結)(2023年3月31日現在)
■導入ソリューション:人事統合システム ADPS

人事統合システムADPSのバージョンアップを契機にグループ全体で人事業務をシェアード化。
人事データの自動連携による省力化も実現

革新的な機能・性能や多彩なデザインでオリジナリティを確立し、G-SHOCKに代表されるような唯一無二のブランドを育成し続けるカシオ計算機株式会社。その他にも、海外の数学教育で広く活用されている関数電卓、より多くの人に音楽の素晴らしさを届ける電子楽器など、その商品ラインナップは世界中で親しまれている。
同社は1990年に『人事統合システム ADPS』を初導入。以来、バージョンアップごとに人事業務のシェアード化や人事情報の自動連携など、システムのさらなる効率化に向けた取り組みを続けている。

カシオヒューマンシステムズ 導入事例ページ カシオ計算機株式会社様ビル画像

グループ各社でバラバラだった
人事制度を統一

カシオ計算機株式会社では、1990年より人事統合システム ADPSを導入。その後、バージョンアップを繰り返しつつ、人事関連の業務をアップデートしてきた。
人事統合システムADPSはグループ会社管理に定評がある。その実績を評価し、カシオ計算機では人事統合システムADPSでグループ会社の人事システムを一括管理するためのシェアード化を実施した。

※シェアード化: 複数のグループ会社で形成された企業が共通のリソースやプロセスを共有し、間接部門における業務を一ヵ所に集約させること。

人事部労務グループの庄司真一郎氏は、「シェアード化には、グループ全体の人事業務の効率化とガバナンスの強化という大きく2つの目的がありました。シェアード化の実現に向けてまず初めに行ったのが、それまで各社バラバラだった人事制度の統一、管理項目の統一です。それらの新たな仕組みを作り上げた後、シェアード対象会社へと導入していきました」と語る。

カシオヒューマンシステムズ 導入事例ページ カシオ計算機株式会社様 庄司真一郎氏

庄司真一郎氏

導入に当たって工夫したのは、生産拠点など他のグループ会社と形態の異なる会社は後回しにしたこと。まずは本社と同じような制度をもっているところから段階的に導入を行った。さらに、各グループ会社の人事担当者を集めて定例会を実施し、当事者意識を植え付けることで積極的に協力する気持ちを醸成したこともスムーズな推進につながった。

シェアード化の実現により各社ごとに行っていた業務の集約が可能になり、当初の狙い通りに人事業務の効率化を実現。その結果、業務に必要な要員の数を減らすことが可能になり、削減できた人的資源をコア業務へとシフトできるようになった

シェアード化でグループの制度統一が一気に進み、もう一つの目的だったガバナンスの強化も実現できた。
「これまでグループ会社では、人事制度をそれぞれに設けて運用していましたが、シェアード化を機に制度の統一を図りました。その結果、人事業務に対する監視の目が行き届きやすくなり、ガバナンスの強化も促進されています」

さらに、シェアード化による人事制度の統一はシステム面でのコスト削減にも貢献している。
「各社ごとに人事システムを導入した場合、維持・ハード面で各社ごとに費用がかさみます。しかし、カシオ計算機株式会社に導入した人事統合システムADPSでグループ会社すべての業務をまかなえば、コストの大幅な削減ができました。人事制度の統一は、コスト面でも大きなメリットをもたらしています」

自動連携で
データ管理の手間を省く

2019年には利用範囲を広げ、人事業務における申請作業を人事統合システムADPSで一元化した。人事部人事グループに所属する風間直人氏によると、以前は社内の情報システム部門に内製で作ってもらったシステムを申請作業に用いていたという。
「例えば社員Aさんにお子さんが生まれましたという家族情報を更新して登録する場合、家族情報などのイベント申請を人事統合システムADPSの仕組みで行えるようにアップデートすることで、変更内容の自動連携を可能にし、システム管理者の手間を解消しています。データ更新におけるオペレーションが不要になり、システム管理者からも高評価でした」

併せて就業システムも新たに入れ替えられた。
「就業システムは、昔ながらの紙やタイムカードによる運用を踏襲するためカスタマイズされていましたが、人事統合システムADPSの標準機能に変更したことで運用が大幅にシンプルになりました」

例えば、これまでは時間外労働に関して基本的には事前申請が必須のシステムをカスタマイズしていたが、最新システムの標準機能に合わせて事前申請の必要性を見直した。さらに、カシオ計算機株式会社からグループ会社へと出向している従業員の残業計算についての効率化にもつながっている。

「グループ会社への出向者はカシオ計算機株式会社で雇用されているので、給与はカシオ計算機株式会社から払わなければならないのですが、時間外勤務の実績は出向先で発生することになります。そのため、カシオ計算機株式会社宛に送信されてきた残業時間データを出向先の会社の人事担当者に戻し、出向先の会社の給与体系で計算する必要があるのですが、以前の就業システムでは出向先の会社が負担する残業時間のデータを手動で戻さなければなりませんでした。最新バージョンでは、出向者の残業時間は出向先の各社に戻すというメニューを作っておけば、自動連携により紐づいて入力されるので作業が短縮されます」

カシオヒューマンシステムズ 導入事例ページ カシオ計算機株式会社様 風間直人氏

風間直人氏

「また、カシオ計算機株式会社では本年度より在宅勤務が制度化されました。これに伴い、勤務場所の管理、中抜けや在宅から出社に切り替えた場合の管理など、会社の制度に合わせてシステムを設計してもらえたのはありがたかったですね。会社それぞれに、“こういうことを実現したい”という要望はあるはずで、それに対応できる人事統合システムADPSを当社では高く評価しています」

臨機応変な制度運用や
育成分野でもNextCELLが活躍

人事統合システムADPSの数ある機能の中でも、標準搭載されているデータ検索や帳票作成ツールNextCELLは、カシオ計算機株式会社において使用する頻度が非常に高くなっている。

※NextCELL; データベースから必要なデータを検索・抽出し、多彩な帳票を自動作成できるExcelのアドインツール。

その背景にあるのは、社員一人ひとりの事情に配慮するなど、カシオ計算機株式会社が多様な人事制度を持つ企業だからだ。人事統合システムADPSに入っているデータをNextCELLで素早く抽出し、特例の内容などはEXCELで対応するといった臨機応変な運用が可能なため、制度変更も頻繁に行われる同社の人事業務にとっては必須のツールとなっている。

カシオヒューマンシステムズ 導入事例ページ カシオ計算機株式会社様 左:鳥原菜津美氏 右:浜本敦子氏

左:鳥原菜津美氏 右:浜本敦子氏

さらに、NextCELLは人材育成の業務でも高い利便性を発揮している。人事部採用教育グループの浜本敦子氏はこう語る。
「私は選抜研修の企画運営をしているのですが、対象となる社員のリストを作成するのにNextCELLはとても便利です。氏名や所属、格付はもちろん、退職した人を除いたり、中途入社の人のみを抽出したりするなど、細かな条件を付けての検索が可能で、条件付けの内容を保存しておけば同じ条件で何度でも手軽に抽出できます」
同グループに所属し、若者向けの研修を担当する鳥原菜津美氏は 、登録されたテスト情報などの人事データを抽出できる点も利便性が高いと話す。

「TOEIC受験が必要な社員へ連絡をする際にもNextCELLの検索が役立っています。シェアード化により、出向者やグループ会社の社員を含め、幅広く検索できるのもありがたいですね」

その他にも、NextCELLは制度企画の業務で抽出したデータをEXCELでグラフ化する作業や、集計する際にも効果を発揮。その使い勝手の良さから、人事部門の様々な業務で活用されている。

今後、人事統合システムADPSに期待することはとの質問に、庄司氏は画面上での入力を無くすことと話す。
「現在、カシオ計算機株式会社ではシステム上での転記撲滅を目指し、人事統合システムADPSでの手入力を極力避けるという方針を打ち出しています。現状では一度決まったことを担当者がそれぞれの分野で人事統合システムADPSに登録していますが、将来的には電子データを流し込んで登録できるようにしたいと思っています。手入力は間違いのもとですから」
人事統合システムADPSにはさらなる課題解決に向けたバージョンアップを期待していると庄司氏。その言葉からは、カシオヒューマンシステムズ株式会社なら必ず叶えてくれるはずという高い信頼感が窺えた。