CASE STUDIES

導入事例
導入ソリューション|人財活用支援システム「iTICE(アイティス)」
さわやか信用金庫様
さわやか信用金庫様

現在の保有スキルと成長の推移を客観的視点から把握。
人材の早期戦力化と、個々の能力を最大限に活かす組織づくりに iTICEを活用。

東京都の城南地区を営業基盤に、68店舗を展開する「さわやか信用金庫」。職員数約1,200名を擁する当金庫で、人材マネジメント業務を担当するのが「人事研修部」。その名の通り、「研修」を通じて人材の育成に力を入れているのが特長だ。2013年8月には、人財活用支援システム「iTICE(アイティス)」を導入し、職員個々の能力の見える化や、研修効果の時系列分析などに活用。多角的な運用が可能な総合マネジメントシステムを構築することで、個別スキルの向上、組織運営の最適化、若手人材の早期戦力化など、事業戦略の柱となる人材育成に積極的に取り組んでいる。

さわやか信用金庫本部

現状から変化まで。“能力の棚卸し”に有効活用

さわやか信用金庫は、3金庫が合併して2002年より発足。その当時の金融不況という時代背景により、約7年にわたり新卒採用を見送った影響から、職員の年齢構成のバランスが懸念されていた。さらに、本年より管理者層が多く定年を迎えるということもあり、人事研修部としては、人材活用の見直し、人材育成のさらなる効率化などの必要性に迫られていたという。

「とくに急務となるのが若手の育成。必要なスキルを身につけ即戦力として早期登用していくことで、人員構成の穴を埋める必要がありました。また、近年、総合職の女性の採用を拡大していることもあり、そうした人材の活用方法を最適化するという課題もありました。」(小島氏)

そこで、当金庫では、まず職員ひとりひとりの“能力の棚卸し”に着手。個別スキルを客観的かつ詳細に収集し、各支店および各部門で共有することにより、人材育成および人員配置に活用していこうと考えたという。その手段として導入したのが、カシオの人財活用支援システム「iTICE」だ。

人事研修部 部長
小島成人氏

「職歴、取得資格など、個々の情報はあるものの、それらの多くがペーパーベースであったため、充分に活用できていないというのが実情でした。その点、iTICEを使えば、職員個別のデータを一元化でき、組織全体の能力を容易に見える化することができます。多角的な視点から人材情報を把握することで、各職員のキャリアプラン構築、組織力のSWOT分析が可能となり、人事異動の際の基礎資料としても活用できると考えています。」(小島氏)

このような“現状”の把握に加え、人材マネジメントで重要となるのが“変化”の把握。当金庫では、多くの階層別、職務別の研修が実施されており、その効果測定には受講後の報告書やアンケートが利用されている。しかし、職員すべての習得状況やその後の定着化を検証し、育成効果を把握したり、次年度以降の研修計画にフィードバックしたりするためには、研修後の能力向上をより詳細に把握する術が必要だったという。

人事研修部 人事企画課長 兼 人事研修課長
増田頼彦氏

「研修は、新入社員向けの講座や管理者層向けに行われる研修会議、特定の業務に特化したOJTやOFF-JTなど多岐にわたり、それぞれ職業倫理や金庫独自の文化を意識して構成しています。いうまでもなく、研修の効果は、受講後すぐに現れるものばかりではなく、中長期的な視野で評価する必要があります。また、職員の成長は、直属の上長のみが認識していればよいというものでもなく、全社的な人材活用を目指すためには、組織を横断したデータの開示・活用が必要不可欠となります。その際、iTICEのようなシステムがあれば、より多角的な人材マネジメントにおいて、有効活用できるようになります。」(増田氏)

iTICEを活用すれば、人事システムの既存情報を紐付け、各職員のプロファイルシートを簡単に作成・閲覧でき、散在しがちな人材情報のスムーズな一元化が可能。また、定期的に実施されるアンケートなどにも効果を発揮。ペーパーベースでは配布・集計に手間がかかる作業も、ブラウザ入力、自動データ集計により、少ない負担で全職員の情報を短期間で集約することができる。さらに、これらのデータを長期的に蓄積し、時系列比較を行うことにより、人材の成長曲線を全社的に共有することができるというわけだ。

運用は手軽に、活用は多彩に。人材活用をITで支援

さわやか信用金庫では、2013年8月のiTICE導入に伴い、同システムのアンケート機能を活用した職員の能力に対する調査“能力の棚卸し”を実施。課長以下の総合職および一般職を対象に、様々な業務に対する知識・スキルの修得度を集計し、プロファイルシートを作成した(図1)。こうした調査を年1回または上期・下期など定期的に実施し、各職員の業務能力の変化を把握していきたい考えだ。

「設問は、一般職で50問、総合職で100問程度。各項目に対し4段階評価で自己採点を行います。PCで専用画面にログインし、クリックするだけで回答できるため、短時間で実施でき、業務を妨げることなく実施できます。能力の見える化については、以前から検討を進めており、調査項目もある程度準備していたため、システムの導入は比較的スムーズでした。また、もともとカシオの人事・給与システムADPS(アドプス)を採用していたこともあり、システム立上げ時のSEとのやりとりもやりやすかったですね。」(石﨑氏)

「このアンケートは、あくまで時系列での推移による“成長”の把握を目的としているため、現時点では上司による採点は取り入れていません。また、設問項目についても、全国信用金庫協会・中央職業能力開発協会策定の『信用金庫業における職業能力評価基準』を参考に、業界標準という視点から改善を加えていきたいと考えています。」(児玉氏)

作成されたプロファイルシートには、職歴や資格、研修受講歴などとともに、能力評価をレーダーチャートで表示。社内平均との比較ができ、個人のストロングポイント、ウイークポイントを把握するのに役立つ。また今後、評価基準が業界内で統一され、そのデータが共有されるようになると、他金庫との比較分析にも活用できると期待を寄せている。

人事研修部 人事企画課 専任役
児玉桂一氏

人事研修部 人事研修課 専任役
石﨑順一氏

「支店内の異動は支店長判断で行えますが、個々人の能力を的確に把握して最適配置するのはなかなか難しいもの。しかし、このシステムのおかげで、支店間のバラツキが把握でき、組織力の平準化に役立つだけでなく、個人の能力を最大限に発揮できる場を提供することが可能になります。また、BCP(事業継続計画)として、緊急時に開店する支店への人員配置に応用するなど、運用次第で活用の範囲をさらに広げることができる点も、大きな魅力のひとつですね。」(児玉氏)

“能力の棚卸し”は、職員の能力の単なるデータベース化ではない。個人をよく知るということは、組織を活性化させるための人材活用を可能にすると同時に、ひとりひとりと向き合うという姿勢が、企業と個人との絆を深めるというメリットも生み出す。もちろん、個人の満足度が高まれば、サービスの質の向上につながることはいうまでもない。

地域密着型のさわやか信用金庫において、「人」が果たす役割は大きい。そのマネジメントを担う人事研修部と、サポートするiTICE。両者が連携した取り組みは、今後ますます深く、広くなっていくだろう。