育休手当(育児休業給付金)とは?計算方法や支給条件を解説
2025.09.22

育児手当(育児休業給付金)は、育児休業を取得した際に雇用保険の被保険者である従業員に支給されるものです。一定の条件に該当する人であれば、男女関係なく申請できます。今回は、育休手当の支給条件や計算方法、申請に必要な書類などを詳しく解説します。
目次
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育休手当(育児休業給付金)とは

育休手当は、育児休業給付金の略称です。雇用保険の被保険者である従業員が、育児休業を取得した場合に支給される給付金です。原則子どもが1歳になる誕生日の前々日までが給付対象ですが、止むを得ない事情がある場合のみ最大2歳まで延長できます。
育休手当の条件に該当する従業員であれば、男女関係なく申請できます。育児休業給付金は非課税であり、休業中に支給された給付金に対する所得税や住民税の支払いはありません。なお、出生育児休業をした場合は出生時育児休業給付金も支給されます。
育休手当は、初回の給付金を支給する前に受給資格の審査が行われるのが通常です。受給資格の審査には2週間程度かかり、決定されれば1週間ほどで口座に振り込まれます。育休は産後8週間後から開始されるため、申請から給付金の支給まで出産してから4~5ヶ月程度かかります。
参考:厚生労働省「最長2歳まで育児休業が取得できるようになりました!」
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育児休業給付金の支給条件

育児休業給付金は、子どもを養育するすべての従業員に支給されるものではありません。育児休業の取得前・取得中で、それぞれ給付条件が設けられています。
育児休業給付金が支給される条件を確認していきましょう。
育休取得前の条件
育児休業の取得前に従業員が満たすべき条件には、以下のようなものがあります。
- 雇用保険の被保険者である
- 休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある
- 支給単位期間中の就業日数が10日以下、または就業した時間数が80時間以下
一定の要件を満たしていれば、正社員だけでなく、アルバイトやパート勤務でも給付金を受け取れます。ただし、有期雇用で働いている場合は、養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、労働契約の期間が満了しないことが条件です。
また、以下の条件に該当する場合には受給要件が緩和されることがあります。
- 疾病・負傷等で30日以上働けなかった場合
- 1回目の育児休業で対象月を満たさなかった場合
育休取得中の条件
育休取得中の条件は、以下のようなものがあります。
- 育休期間中に支払われる賃金が80%未満である
- 勤務日数が10日以下、または勤務時間数が80時間以下である
育休期間中に支払われる賃金とは、支給単位期間中に支払日のある給与等の賃金総額のことです。育児休業期間中、受給者はまったく働けないわけではありません。ただし、育児休業前の賃金の80%を超えると育児休業給付金の給付対象外になります。
また、80%未満でも13%以上を超えると支給額が減額されるため、育休期間中に働く場合は注意してください。勤務日数や勤務時間が規定を超えた場合、その対象期間は給付金は支給されませんが、翌月以降に規定を満たせば再度受け取れます。
関連記事:【2025年施行】育児・介護休業法改正のポイントを解説
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育児休業給付金の計算方法

ここからは、育児休業給付金の計算方法、支給上限額と下限額などを確認していきましょう。
いつの給料が対象?育児休業給付金の計算方法
育児休業給付金の対象は、休業開始日から休業終了日までの給料です。支給額は、「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(給付率)」で計算します。休業開始時賃金日額とは、直近6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額です。ただし、育休取得してから6か月以降(181日目以降)は、給付率が「50%」に変更されます。
育児休業給付金の上限額と下限額
育児休業給付金の支払い上限額・下限額は、賃金日額または支給日数で変わります。賃金日額は、上限額が15,430円、下限額が2,746円です。支給日数は、6か月まで上限額が310,143円、下限額が55,194円、6か月を超えると上限額が231,450円、下限額が41,190円に変更されます。
限度額を超えている場合は一律限度額までの支給となり、下限額に達していない場合は一律下限額まで引き上げられて支給されるのが基本です。支給上限額・下限額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに毎年8月1日に見直されています。限度額が大幅に修正される場合があるため、毎年内容に変更はないのかを確認しておくことが必要です。
育児休業給付金の支給額をシミュレーション
参考例として、育児休業給付金の支給額を計算してみましょう。
【休業前賃金日額:給料が30万円の場合】
計算式:30万円 × 6か月 ÷ 180日
賃金日額:1万円
休業してから6か月 | 休業してから6か月以降 | |
---|---|---|
計算式 | 10,000円 × 30日 × 67% | 10,000円 × 30日 × 50% |
支給額(1か月) | 201,000円 | 150,000円 |
*この表は、育児休業期間中を対象として事業主から支払われた賃金が、休業開始時賃金月額」の13%以下の場合(または賃金支払いがなかった場合)の表です。
育児休業中に支払われた賃金額によっては、この額を下回ることがあります。
関連記事:こども未来戦略とは│背景や加速化プランの内容について解説
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いつからいつまで?育児休業給付金の支給期間

育児休業給付金は支給期間が定められていますが、やむを得ない事情がある場合は延長可能です。ただし、支給期間を延長するには、一定の条件を満たす必要があります。ここでは、育児休業給付金の支給期間や延長条件について詳しく確認していきましょう。
支給期間は原則子が1歳になる誕生日の前々日まで
育児休業給付金の支給期間は、原則養育する子どもが1歳になる誕生日の前々日まで支給されます。誕生日の前々日までの支給になるのは、民法の規定上、誕生日の前日で満年齢に達したと判断されるためです。ただし、子どもが1歳になる前に職場復帰した場合は、復帰日の前日までが支給期間と見なされます。この場合、育児休業給付金の支給期間が短縮されるので注意してください。
支給期間の延長条件
育児休業給付金の支給期間は原則1年ですが、やむを得ない事情がある場合は、子どもが最大2歳になる前々日まで延長可能です。支給期間を延長する場合は、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
- 配偶者が死亡した
- 待機児童等で保育環境を確保できない
- 配偶者の疾病、負傷等で養育が困難になった
- 婚姻解消等で配偶者と別居することになった
- 配偶者が産前産後休業等を取得した
育児休業給付金の支給期間を延長する場合は、別途手続きが必要です。
提出書類 | 育児休業給付金支給申請書 |
添付書類 |
|
書類の提出先は、所在地を管轄するハローワークです。ハローワーク窓口で書類を提出する方法に加えて、電子申請も利用できます。詳しくはお近くのハローワークにお問い合わせください。
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育児休業給付金の申請方法と必要書類

育児休業給付金を受け取るには、企業と従業員がそれぞれ手続きを行う必要があります。育児休業給付金の申請方法や提出書類について確認していきましょう。
育児休業給付金の申請方法
育児休業給付金は、以下のような流れで申請します。
- 従業員が会社に出生時育児休業を申し出る
- 従業員が必要な書類を会社に提出する
- 会社が必要書類を管轄のハローワークに提出する
- 審査が承認されたら給付金が従業員に支給される
- 2か月ごとに支給申請書を提出する
育児手当は、子どもが生まれる日から起算して、8週間を経過する日の翌日から申請可能です。出産予定日前に子どもが生まれた場合は、出産予定日から起算します。当該日から起算して、2か月を経過する日の月の末日が提出期限です。
育児休業給付金の申請は、基本的に勤務先経由で行います。申請後は2か月に1回、支給申請書の提出が必要です。2回目以降の申請は、支給決定通知書とともに交付された支給申請書に額や賃金の支払い状況を確認できる書類を添えて申請します。
育児休業給付金の申請書類
育児休業給付金の申請で必要になる書類は、以下のようなものがあります。
【企業が用意する書類】
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
- 出生時育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況が確認できるもの(労働者名簿・出勤簿・タイムカード・育児休業申出書など)
【従業員が用意する書類】
- 払渡希望金融機関指定届
- 育児の事実、出産予定日を確認できるもの(母子健康手帳、医師の診断書、出産予定日証明書など)
従業員が用意する払渡希望金融機関指定届は、育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の下部にある記入項目です。この項目に、給付金を振り込む金融機関を記入します。この時点で金融機関を指定しなかった場合は、初回申請までに金融機関の届け出を行わなければいけません。育児休業給付金は、基本的に勤務先が必要書類を揃えて申請を行います。
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知っておきたい男性の育休制度

男性の従業員は、子どもが生まれた直後から育児休業を取得することが可能です。夫婦共働きである場合は、休業期間が延長できる制度もあります。ここからは、男性の育休手当の期間や育休制度について詳しく確認していきましょう。
男性の育休手当の期間
2021年6月に育児・介護休業法が改正されました。産後8週間経ってから育休が始まる女性と異なり、男性は子どもが生まれた日から育休が取得可能です。男性の育児休業を取得する時期が早ければ早いほど、その分給付金も早く振り込まれます。子どもが生まれた直後の大変な時期でも、夫婦同時に仕事を休んでも早く給付金を受け取れるため安心です。
また、育児・介護休業法の改正に伴い、1歳以降の延長や再取得、分割取得が変更され、柔軟な育児休業の枠組みが創設されています。
育児休業制度(改正後) | 育児休業制度(改正前) | |
---|---|---|
対象期間 取得可能日数 |
原則子どもが1歳 (最長2歳)まで | 原則子どもが1歳 (最長2歳)まで |
申出期限 | 原則1か月前まで | 原則1か月前まで |
分割取得 | 分割して2回取得可能 | 原則分割不可 |
休業中の就業 | 原則就業不可 | 原則就業不可 |
1歳以降の延長 | 育休開始日を柔軟化 | 育休開始日は1歳、1歳半の時点に限定 |
1歳以降の再取得 | 特別な事情がある場合にかぎり再取得可能 | 再取得不可 |
分割取得できる「産後パパ育休」
産後パパ育休は、2022年の育児・介護休業法の改正により創設された男性の育休制度です。子どもが生まれてから8週間以内に、最大で4週間の育休を2回に分割して取得できます。また、労使協定を締結している場合にかぎり、労働者が合意した範囲で就業が可能です。さらに、育児休業と産後パパ育休は併用できるため、最大4回まで取得できます。
産後パパ育休 | ||
---|---|---|
対象期間 取得可能日数 |
子の出生後8週間以内に 4週間まで取得可能 | |
申出期限 | 原則休業の2週間前まで | |
分割取得 | 分割して2回取得可能 | |
休業中の就業 | 労働者が合意した範囲で就業可能 |
育休期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」制度
パパ・ママ育休プラスは、以下の要件を満たした場合に、子どもが1歳2か月に達するまで育児休業を延長できる制度です。
- 子どもが1歳に達するまでに配偶者が育児休業を取得している
- 本人の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日以前である
- 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降である
パパ・ママ育休プラスを利用する場合、子どもが1歳2か月に達する日の前日まで、最大1年まで育児休業給付金が支給されます。女性の場合は出産日と産後休業期間と育児休業期間を合わせ、男性の場合は出生時育児休業期間と育児休業期間を合わせて最大1年です。
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産後パパ育休に支給「出生時育児休業給付金」

出生時育児休業給付金は、男性の育児参加を促進する目的で2022年に施行されました。「産後パパ育休」を取得した男性を対象に支給される給付金です。
産後パパ育休の取得期間中は、会社から賃金の支払いを受けられないため、金銭的負担を減らすことを目的として創設されました。
出生時育児休業給付金の支給要件や支給額など、制度概要を確認していきましょう。
出生時育児休業給付金の支給要件
出生時育児休業給付金を希望する場合、以下の支給要件を満たす必要があります。
- 1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した被保険者
- 育児休業開始日の前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上である
- 休業期間中の就業日数が最大10日以下である
契約社員やパート・アルバイトなどの契約期間に定めがある有期雇用労働者の場合、雇用保険の被保険者であれば給付対象となります。
ただし、有期雇用労働者は上記の要件に加え、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに労働契約期間の満了が明らかでないことが必要です。
なお、出生時育児休業給付金は2回に分割して取得することが可能です。
出生時育児休業給付金の支給額
出生時育児休業給付金の支給額は、以下の計算式を用いて算出します。
【計算式】
出生時育児休業給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数 × 67%
【計算例:休業開始時賃金日額が12,000円・産後パパ育休を28日取得した場合】
22万5,120円 = 12,000円 × 28日 × 67%
休業開始時賃金日額の正確な金額は、育児休業を取得する際にハローワークに提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」で確定してから決まります。
また、休業開始時賃金日額・休業期間の日数には上限があります。
- 休業開始時賃金日額の支給上限額は15,690円
- 休業期間の日数の上限は28日
出生時育児休業給付金の対象とならないケース
給付金の対象外になるのは、以下の要件に該当する被保険者です。
- 3回目の産後パパ育休
- 28日を超えた分の産後パパ育休
ただし、上記に該当する被保険者でも本人の合意を得て育児休業に振り替えた場合、育児休業給付金として申請できます。
なお、会社から賃金が支払われている場合、減額または支給対象外です。給付金を受け取るには、支払い額が「休業開始時賃金日額×休業期間の日数」の13%以下である必要があります。
支払い額 | 出生時育児休業給付金の支給額 |
---|---|
「休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数」の13%超~80%未満 | 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数 × 80%ー賃金額 |
「休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数の80%以上 | 支給対象外 |
出生時育児休業給付金の申請方法と必要書類
出生時育児休業給付金の支給を受けるためには、被保険者を雇用する事業主による受給資格の確認や申請手続きが必要です。
申請時には、以下の書類を揃えて管轄のハローワークに提出する必要があります。
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金支給申請書
また、添付書類として以下の写しも必要です。
- 出産日確認書類(母子健康手帳や住民票など)
- 出産予定日確認書類(母子健康手帳や出生時育児休業申出書など)
- 休業期間確認書類(出生時育児休業申出書、育児休業承認書など)
- 振込先口座確認資料(本人名義の通帳やキャッシュカードなど)
- 雇用契約書
必要書類は、子の出生日から8週間経過した日の翌日から提出できます。提出期限は、当該日から2か月を経過する日が属する月の末日までです。
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2025年4月施行「出生後休業支援給付金」とは

出生後休業支援給付金は、共働き・共育てを推進するために給付される制度です。
夫婦ともに通算14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間分の給付金(休業前賃金の約13%)を受け取れます。出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給を受ける被保険者が対象となる追加支援です。
ここでは、支給要件や支給額など出生後休業支援給付金の概要を見ていきます。
出生後休業支援給付金は「こども未来戦略」の施策
出生後休業支援給付金は、こども未来戦略に基づいて2025年4月に創設されました。
こども未来戦略は、子ども・子育て政策を抜本的に強化して次元の異なる少子化対策を実現するために2023年12月に閣議決定された戦略です。
出生時育児休業給付金または育児休業給付金の給付率は、休業前賃金の67%程度です。出生時育児休業給付金・育児休業給付金に上乗せされて出生後休業支援給付金が給付されると、休業前賃金の80%を受け取れます。
育児休業中は健康保険料や厚生年金保険料が免除されるうえに、育児休業等給付も非課税です。給付率が休業前賃金の80%でも手取り10割相当の給付金額を受け取れます。
参考:厚生労働省「2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設します」
関連記事:こども未来戦略とは│背景や加速化プランの内容について解説
出生後休業支援給付金が決定した背景
出生後休業支援給付金の支給が決定した背景には、深刻な少子化問題があります。
厚生労働省の統計によると、2024年の出生数は68万6,061人で、前年よりも4万1,227人も減少している状況です。出生数の減少は2016年から加速度的に進んでおり、この状況が続くと2060年には50万人を下回ると予想されています。こうした状況に鑑みて、政府は子育て世帯への経済的支援を強化するために出生後休業支援給付金を創設しました。
なお、制度決定には共働き・共育て推進の目的もあります。育児休業取得率は女性が約84%、男性は約30%と、男女間で大きな差があります。共働き・共育てを実現するには、男性の家事育児時間を確保することが必要です。
出生後休業支援給付金により、休業前賃金と同程度の給付を受けられるため子育て世帯の金銭的負担を軽減できます。
参考:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
参考:厚生労働省「「令和5年度雇用均等基本調査」結果を公表します~女性の管理職割合や育児休業取得率などに関する状況の公表~」
出生後休業支援給付金の支給要件
被保険者が以下の要件を満たした場合に給付申請できます。
- 対象期間に出生時育児休業給付金が支給される「産後パパ育休」、または育児休業給付金が支給される「育児休業」を14日以上取得している
- 対象期間に被保険者の配偶者が14日以上の育児休業を取得している
対象期間は、出産後の女性が心身の回復を図る産後休業の取得有無で異なります。
産後休業の取得有無 | 対象期間 |
---|---|
被保険者が産後休業を未取得 | 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間 |
被保険者が産後休業を取得 | 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日」までの期間 |
参考:厚生労働省「2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設します」
出生後休業支援給付金の計算方法と支給額
出生後休業支援給付金の支給額は、以下の計算式を用いて算出します。
【計算式】
支給額 = 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数 × 13%
【計算例:休業開始時賃金日額が12,000円・産後パパ育休を28日取得した場合】
4万3,680円 = 12,000円 × 28日 × 13%
育児休業の取得期間は、健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。また、勤務先から給与の支払いがない場合には雇用保険料を負担する必要がありません。
出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金や育児休業給付金の上乗せ支給です。すべての給付金額を合わせると手取り10割相当となります。
参考:厚生労働省「2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設します」
出生後休業支援給付金の申請方法
出生後休業支援給付金は、原則として育児休業給付金・出生時育児休業給付金と併せて申請する必要があります。別途支給申請も可能ですが、育児休業給付金・出生時育児休業給付金が支給された後に手続きを進めなければいけません。
なお、申請者は被保険者を雇用している事業主です。配偶者の被保険者番号や育児休業開始年月日など、必要事項を記載した支給申請書を管轄のハローワークに提出します。
参考:厚生労働省「2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設します」
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育休手当受給におけるポイント

基本的に企業を通して申請する育休手当は、実は個人でも申請が可能です。期間も、1か月ごとの申請が可能ですが、どちらにせよ企業の協力が必要です。また育休手当は、申請後すぐに支給されません。休業中に不安なく過ごすにはポイントをおさえて、申請を進めることが大切です。ここでは、育休手当受給におけるポイントを確認しましょう。
育休手当の申請は個人でも行える
育休手当は会社が申請するのが原則ですが、対象者が直接申請することも可能です。勤務先で育休取得の前例がない場合は、会社で手続きできない可能性があります。申請をしないと育休手当は支給されないため、このような場合は自分で申請するのもひとつの方法です。ただし、個人で申請する場合も勤務先の協力を必要とします。
個人で申請する場合は、育児休業給付金支給申請書と育児休業給付受給資格確認票をハローワークで入手しましょう。ハローワークインターネットサービスからダウンロードすることも可能です。その他必要な書類を勤務先から集め、事業主に受給資格の確認手続きをしてもらいます。受給資格の確認手続きは、初回の支給申請を行うまでに済ませましょう。
全書類に記入し、勤務先所在地管轄のハローワークに提出したら申請完了です。初回2か月分の申請時期は、育休開始から4か月を経過する日の属する月の末日までになります。特に個人で申請する場合、書類収集や必要事項の記入、勤務先とのやり取り等に時間がかかることが多いです。余裕を持って申請できるように計画的に準備を進めましょう。
育休手当は1か月ごとに申請できる
育休手当の申請は原則2か月に1回ですが、毎月給付金を受け取りたい場合は1か月ごとに申請することが可能です。ただし、1か月単位での申請は担当者の作業負担が増えるため、希望する場合はあらかじめ会社に相談しておくことをおすすめします。勤務先での手続きが難しい場合は、自分で申請することで早く給付金を受け取れることも多いでしょう。
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企業は、従業員が産休・育休中に出産や育児に専念できるように、労務担当者は申請手続きをサポートすることが求められます。ただし、近年は育児休業を取得する従業員が増加傾向にあり、労務担当者の作業負担が大きくなりつつあるのが現状です。
労務担当者の作業負担を減らすためには、育児休業に関する手続きを含む人事業務を効率化できるシステムを導入するのもひとつの方法です。カシオヒューマンシステムズ株式会社では、人事統合システム「ADPS(アドプス)」を提供しています。
「ADPS」は、人事情報管理や給与計算など人事にかかわる業務を一元管理できるシステムです。「ADPS」を導入すれば、申請業務や給与業務などにかかる負担を軽減でき、人事業務の効率化を図れます。導入実績は累計5,000社を超え、個別の要望にも柔軟に対応しています。
詳しくは、以下をご確認ください。
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まとめ

育休手当は、一定の条件を満たした従業員であれば男女関係なく支給を受けられる制度です。支給額は、直近180日間に支払われた賃金の総額で支給額が大きく変わります。また、育休開始から181日目以降は、給付率が「67%」から「50%」に変更されてしまいます。
育休手当の申請は、原則として企業が行うことが必要です。しかし、近年は育児休業を取得する従業員が増加傾向にあり、労務担当者の作業負担が大きくなりつつあります。労務担当者の負担を減らしたい場合は、人事統合システム「ADPS」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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定期的に「人事部の皆様に必ず今後の業務に役立つ情報」を紹介しています。