給与計算アウトソーシングとは?費用相場やメリットを解説

給与計算アウトソーシングとは?費用相場やメリットを解説

給与計算業務は従業員の基本給や手当・賞与を計算し、給与明細を作成・送付するだけでなく、税金や社会保険料の計算に納付といった専門性が求められ、ミスの許されない業務です。そのため従業員の負担になることがありますが、業務をアウトソーシングすることで従業員の負担の軽減が可能です。

当記事では、給与計算アウトソーシングに代行してもらえる業務やサービスの種類を解説したうえで、給与計算アウトソーシングで得られるメリットやデメリットについても整理していきます。また、給与計算のアウトソーシング先を選ぶ際のポイントについても解説します。

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給与計算アウトソーシングとは?

給与計算アウトソーシングとは?

給与計算アウトソーシングとは、企業が自社の給与計算業務を外部の専門業者に委託することを指します。給与計算業務には従業員の給与や、税金や社会保険料の計算に、通勤などの各種手当や賞与計算など、給与に関連するさまざまな業務を含みます。

給与計算業務をアウトソーシングすることで、企業は給与計算の複雑さや業務量の多さから発生するミスのリスクを軽減し、従業員の負荷低減や業務の効率化を実現可能です。また、頻繁に改正される法規制への対応や、専門知識を持つ従業員の確保といった課題への対策にもなります。ただし、情報漏洩のリスクや社内にノウハウが蓄積されないといったデメリットについても考慮する必要があります。

関連記事:給与計算のやり方とは?計算方法や基礎知識をわかりやすく解説

給与計算アウトソーシングの種類

給与計算アウトソーシングの種類

給与計算アウトソーシングには大きく分けて3つの種類があります。

  • 大企業向け
  • 小規模〜中小企業向け
  • システム一体型

大企業向けの給与計算アウトソーシングは従業員が数百名以上の企業向けに提供されるサービスで、多様な職種や雇用形態に対応できます。大企業ではジョブローテーションなどで大規模な人事異動が行われることも多く、アウトソーシングすることで業務の属人化を防ぐことが可能です。一方で。従来の業務を円滑に引き継ぐことに課題が生じる場合もあります。

小規模〜中小企業向け給与計算アウトソーシングは、従業員数が数十名から数百名程度の企業向けに提供されるサービスで、従業員が不足しがちな管理部門の負荷軽減が可能です。給与計算システムでは対応できない従業員からの問い合わせ対応や、規定の見直しといった業務もアウトソーシングならば対応できます。

システム一体型の給与計算アウトソーシングは給与計算業務の代行に加えて、給与計算システムも同時に提供するサービスです。給与計算業務のアウトソーシングと同時に、給与体系の見直しや給与明細のWeb化なども並行して実施する場合におすすめです。

給与計算業務をアウトソーシングする際は、従業員数や提供形態に応じて、適切な種類のサービスを選定しましょう。

給与計算代行アウトソーシングの代行業務

給与計算代行アウトソーシングの代行業務

給与計算代行アウトソーシングでは、毎月行う必要がある給与や税金、手当の計算と支払いだけでなく、年末調整や住民税の更新といった年次で行われる業務の代行も可能です。本項では給与計算代行アウトソーシングで代行可能な業務について解説します。

給与・賞与計算

給与・賞与計算業務では、企業の給与体系に応じて従業員の給与・賞与の計算を行います。給与の計算に必要なタイムカードなどの勤怠実績の集計から、通勤や残業代といった手当の計算、住民税や社会保険料などの計算も対象です。また、給与明細の作成や発行といった明細関連業務、従業員への振り込みまでをサポートします。

年末調整

毎年の年末から年初に繁忙期が限られる、年末調整に関する業務もアウトソーシングすることが可能です。控除申告書類の封入・送付をし、従業員から回収した書類の内容をチェック・集計します。集計結果から従業員の給与から源泉した税額と本来支払うべき税額を調整し確定させ、源泉徴収票や支払報告書作成と提出代行を行います。

関連記事:年末調整を効率化させる3つの方法!給与計算システムも紹介

住民税の更新

毎年5月から6月に発生する住民税の更新といった、年末調整同様に繁忙期が限られる業務についてもアウトソーシングすることが可能です。住民税は地方税のため、市区町村とやり取りしながら特別徴収額通知書などの紙媒体を大量に扱う必要があります。加えて、インターネットの対応が遅れている市区町村は時間的なコストもかかるため、アウトソーシングすることで業務を効率化できます。

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給与計算代行アウトソーシングを活用するメリット

給与計算代行アウトソーシングを活用するメリット

給与計算業務のアウトソーシングには、人件費やシステム関連費といったコストの削減だけでなく、法改正への迅速な対応や人事担当者の負担軽減、繁忙期の対応に伴う人員確保といったさまざまなメリットがあります。本項では、給与計算業務のアウトソーシングを活用することによって得ることのできるメリットについて解説します。

給与計算にまつわるコストの削減

給与計算業務をアウトソーシングすることで、担当者に関わる人件費と、ソフトウェアなどのシステム関連費の削減が期待できます。給与計算業務に関わる人件費とは、給与計算に関する専門知識を持つスタッフの給与と、スタッフに対する正確な計算を保証するための教育費用が含まれます。給与計算にソフトウェアやシステムなどを活用していた企業では、毎月の利用料やシステムの更新・メンテナンスにかかる費用なども不要になるため、コスト削減が可能です。

法改正への迅速な対応

労働関連法規や社会保障関係の法令は毎年のように改正され、法令の改正に伴い給与計算の方法も変更する必要があります。担当者は常に最新情報を把握し、専門知識を向上させる必要がありますが、社内の従業員だけで法令改正の情報をタイムリーに把握しながら対応するのは困難です。こうした法令改正の変化に対応する担当者の負担や法令違反が発生するリスクも、給与計算代行アウトソーシングを活用することで解決できます。提供会社が法令改正に対応することから担当者の負担やリスクの軽減につながり、企業のコンプライアンスの維持に貢献します。

担当者の負担軽減

給与計算は複雑な作業でありながらミスが許されず、多くの時間と高い集中力が求められ、従業員の負担となる業務です。しかしながら専門的な知識や経験が求められる一方、業務内容は給与計算や明細の発行など、毎月行われる定型的な業務が多く、企業の利益には貢献していないのが実態です。そうした給与計算業務をアウトソーシングできれば、利益を生み出せる業務に人的・金銭的リソースを割り当てられ、人的リソースが最適化されることで企業の競争力向上につながります。

繁忙期の人員確保

給与計算業務には毎月定型的に行われる業務とは別に、年末調整や賞与の支給、住民税の変更対応といった繁忙期があります。こうした繁忙期に業務をスムーズに行うためには通常期よりも多くの人員が必要になりますが、個人情報を扱う必要があり、専門的な知識も必要なことから、臨時でのスタッフ増員が難しいケースも多いでしょう。繁忙期への対策として最大人員を通常期も確保してしまうと、当然人件費がかさみ、コストを圧迫します。

しかし、給与計算代行アウトソーシングを活用すれば繁忙期にも必要な人員が確保され、季節的な業務に対応するコストを適正化しつつ、社内リソースの最適化が可能になります。

給与計算アウトソーシングのデメリットや注意点

給与計算アウトソーシングのデメリットや注意点

前述の通り、給与計算アウトソーシングにはさまざまなメリットがありますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。すべての業務負担が軽減されるわけではなく、情報漏洩や、社内にノウハウが蓄積しないといったリスクがある点を考慮する必要があります。本項では、給与計算アウトソーシングを活用することで生じるデメリットや注意点について解説します。

すべての業務負担が軽減できるわけではない

給与計算アウトソーシングでは、給与計算や年末調整、住民税の更新などをアウトソーシングできますが、給与計算業務のすべてがアウトソーシングできるわけではありません。勤怠管理や従業員情報の更新といった業務は、アウトソーシングできずに社内で継続して対応することが多い業務です。こうした業務はその他の業務をアウトソーシングしたことにより社内業務の期日が早くなるなど、結果的に多忙になる可能性があります。

給与計算業務をアウトソーシングすることでコストが削減できたものの、業務が忙しくなるという事態を避けるためにも、初期段階で業務範囲を明確にし、事前のデータ準備や外注先との密な連携などの対策が必要です。

給与計算に関するノウハウを蓄積できない

給与計算業務をアウトソーシングすると、給与計算に関するノウハウが社内に蓄積されなくなる問題が生じます。業務をアウトソーシングしたことで人員の配置転換が起こり、これまで蓄積してきたノウハウが失われてしまいます。また、労務関係の法令が改正されるたびに行われる知識やノウハウのアップデートも行われず、以後のノウハウも蓄積されません。

アウトソーシング先の会社に問題が生じてしまうと、社内で対応できないため、次のアウトソーシング先を模索する必要があります。従業員が給与制度や法令改正に関して社内に気軽に聞くこともできなくなるため、アウトソーシング先からフィードバックを受けたり、マニュアルを整備したりするといった対策が必要です。

情報漏洩のリスクがある

給与計算業務に限らず、業務をアウトソーシングする際には情報漏洩のリスクが生じます。給与を計算するには従業員の個人情報や給与データを取り扱う必要があります。委託先にもよりますが、企業によっては集計などの実作業を契約社員やアルバイトに実施させたり、再委託を行ったりする場合があるため、委託先のセキュリティ体制やリテラシーへの考慮が必要です。

委託先の企業が信頼できるかを見極めるためにも、情報セキュリティの認証制度である「ISMS認証」や「プライバシーマーク」の取得有無や、データ管理方法やセキュリティ対策が講じられているかを確認しましょう。

給与計算のアウトソーシングを選ぶ際のポイント

給与計算のアウトソーシングを選ぶ際のポイント

給与計算業務のアウトソーシング先を選定する際には、いくつかの企業やサービスを比較しながら検討しましょう。アウトソーシング先を比較する際には、コストや安全性、業務範囲といった相対的に比較するべきいくつかのポイントがあります。本項では、給与計算業務のアウトソーシング先を選ぶ際に比較するべきポイントについて解説します。

コスト

給与計算業務のアウトソーシング先を検討するうえで、先んじて確認する必要があるのはコストです。価格が高いほど提供するサービスの品質が上がるわけではなく、価格が高いにもかかわらずスピードが遅い、柔軟性がなく専門性も不足している代行企業は存在するため、注意が必要です。

企業規模によっては、代行企業だけでなく、社会保険労務士事務者や税理士事務所もアウトソーシング先として検討してはいかがでしょうか。社会保険労務士は労務管理業務に精通しているため、給与計算業務だけでなく、付随する労務手続きのサポートを対応可能です。税務士は給与計算だけでなく、年末調整など、税務に関する業務について一貫したサービスを提供しています。

コストと比較して適切なサービスが受けられるかを確認して、適した選択をするようにしましょう。

安全性

給与計算業務をアウトソーシングするにあたって、情報セキュリティ上安全であるか、個人情報や給与情報などの機密情報が漏洩する恐れはないかを確認するのは重要です。給与計算に活用される従業員情報や給与情報を守るためにも、情報セキュリティに関する認証マークを取得しているか、や、セキュリティ体制、災害時のバックアップ体制について確認しましょう。

代行企業が「ISMS認証」や「プライバシーマーク」を取得している場合、ホームページに掲載されていることが多いです。独自のセキュリティ対策を行っている場合もあるため、業者に確認しましょう。

専門性と対応スピード

給与計算業務は正確性を発揮するための専門性と、毎月の給与振込や納税締切日までの支払いを確実に行う対応スピードが重要です。委託先の専門性を確認するためにも、どの程度の専門的知識を持ち、どの程度の企業規模の給与計算を代行してきたか確認しましょう。委託先の対応スピードや柔軟性によって、振込日に間に合うためには自社内の作業をいつまでに行うかが決まるため、スケジュール感の確認は重要です。

また、給与計算業務には労務作業についての相談も含まれます。柔軟な手続きや相談に対応できるかについても検討しましょう。

依頼できる業務範囲

代行企業によってどこまでの業務を受託しているかは異なるため、自社の課題解決ができる企業を選択する必要があります。給与計算業務以外にも、勤怠情報の管理や試算表の作成といった経理業務、その他のバックオフィス業務を代行している業者もあります。業務をアウトソーシングすることの目的を明確化し、課題に対応できる代行企業を選びましょう。

また、業務範囲と合わせて、実績についての確認も必要です。実績を確認する際は、受託件数だけを確認するのではなく、業務範囲や自社の企業規模など、自社と同様の条件で業務を受託した実績があるかを確認しましょう。

人事給与計算業務をトータルサポート!カシオヒューマンシステムズ

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「BPOサービス」は人事給与管理における給与計算や明細の発行などの業務遂行全般だけでなく、システムの運用や保守に至るまでの一連の領域をワンストップに請け負うサービスです。多忙の人事部から人事給与業務をアウトソーシングすることで、戦略的人事業務に注力できるようにすることを目的として提供されています。業務をアウトソースすることで、定型業務にかかっていた時間を削減し、IT関連固定費や保守要員のコストを大幅に軽減します。

詳しくは、以下をご確認ください。

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まとめ

まとめ

給与計算は複雑な作業でありながらミスが許されない業務のため、従業員の負担となりやすい業務です。しかし、給与計算業務はアウトソーシングすることで、従業員の負担を軽減できます。また、アウトソーシングすることで従業員の負担軽減ができるだけでなく、コストの削減や法改正への迅速な対応など、さまざまな効果が期待できます。

しかし、給与計算業務のアウトソーシングには注意も必要で、情報漏洩のリスクが生じるほか、すべての業務をアウトソーシングできるわけでないといった注意が必要です。そうした注意点についても考慮しながら、まずは自社の課題を洗い出し、課題解決につながるアウトソーシング先について検討してはいかがでしょうか。

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カシオヒューマンシステムズ コラム編集チーム

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