IT導入補助金2025とは?概要や登録申請の流れを紹介
2025.04.18

IT導入補助金は、企業の業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するための補助金制度です。DX推進を検討している事業者にメリットが多い補助金制度ですが、金銭的な補助を受けるには一定の要件を満たす必要があります。
今回は、IT導入補助金2025について詳しく解説します。
目次
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「IT導入補助金」とは

IT導入補助金は、業務効率化やDX推進に向けたITツール導入を支援するための制度です。
対象事業者は、中小企業や小規模事業者等です。中小企業や小規模事業者等は、日本国内で法人登記して事業を営む法人または個人を指します。2025年版では、最低賃⾦近傍の事業者の補助率の増加やセキュリティ対策⽀援等が強化されました。
IT導入補助金の申請枠は、以下のような種類があります。
- 通常枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- インボイス枠(電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数社連携IT導入枠
申請枠の詳細は後述するため、IT導入補助金の活用を検討する事業者は確認してください。
なお、中小企業・小規模事業者等の補助金申請者は、IT導入補助金事務局に登録済みのIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する必要があります。
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
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IT導入補助金2025の変更点

2025年のIT導⼊補助⾦には、以下のような変更点があります。
- 補助対象経費の拡充
- 補助上限額の引き上げ
- 補助率の変更
それぞれの概要を確認していきましょう。
補助対象経費の拡充
IT導⼊補助⾦2025では、補助対象経費が拡充されています。
年度 | 補助対象経費 |
---|---|
2024年 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分) |
2025年 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導⼊関連費 |
※太字は2024年度補正予算での拡充点
IT導入補助金2024では、以下の申請枠の補助対象経費において、ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)が支援対象でした。
- 通常枠
- 複数社連携IT導⼊枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
IT導⼊補助⾦2025では、保守サポートやマニュアル作成等の費⽤に加え、IT活⽤の定着を促す活⽤⽀援を対象にした導⼊関連費が新しく追加されました。
補助上限額の引き上げ
IT導入補助金2025では、セキュリティ対策促進枠の補助上限が引き上げられています。
年度 | セキュリティ対策促進枠の補助上限額 |
---|---|
2024年 | 5万円~100万円 |
2025年 | 5万円~150万円 |
※太字は2024年度補正予算での拡充点
補助金額が増えているため、ITツール導入の金銭的負担を抑えられます。
補助率の変更
IT導入補助金2025では、通常枠・セキュリティ対策推進枠の補助率が変更されています。
年度 | 通常枠 | セキュリティ対策推進枠 |
---|---|---|
2024年 | 中小企業:1/2 | 中小企業:1/2 |
2025年 | 中小企業:1/2 最低賃金近傍の事業者:2/3 |
中小企業:1/2 ⼩規模事業者:2/3 |
※太字は2024年度補正予算での拡充点
最低賃金近傍の事業者とは、3か月以上地域別最低賃⾦ + 50円以内で雇⽤する従業員数が全従業員数の30%以上であることを⽰した事業者を指します。
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
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IT導入補助金2025の対象となる事業者

IT導入補助金の対象事業者は、事業を営む法人または個人である生産性向上に資するITツールを導入している中小企業や小規模事業者等です。
補助対象の中⼩企業・⼩規模事業者等は、以下のようなものがあります。
- 製造業・建設業・運輸業
- 卸売業
- サービス業
- ⼩売業
- ゴム製品製造業
- ソフトウェア業⼜は情報処理サービス業
- 旅館業
- その他の業種(上記以外)
- 医療法⼈・社会福祉法⼈
- 学校法⼈
- 商⼯会・都道府県商⼯会連合会及び商⼯会議所
- 中⼩企業⽀援法第2条第1項第4号 に規定される中⼩企業団体
- 特別の法律によって設⽴された組合⼜はその連合会
- 財団法⼈(⼀般・公益)・社団法⼈(⼀般・公益)
- 特定⾮営利活動法⼈
いずれも資本金の額や従業員数の要件を満たすことが必要です。また、インボイス枠(電子取引類型)では、⼤企業も補助対象事業者に含まれています。
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
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IT導入補助金2025:通常枠の概要

通常枠は、中⼩企業・⼩規模事業者等が⽣産性向上に役立つITツール(ソフトウェアやサービス等)を導入する際の費用を支援するための申請枠です。
通常枠の補助対象経費や補助額・補助率を確認しましょう。
補助対象経費
通常枠の補助対象経費は、以下の3つです。
対象経費 | 詳細 |
---|---|
ソフトウェア | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分) |
導⼊関連費(オプション) | データ連携・分析ツールの導⼊や機能拡張、セキュリティ対策実施に係る費⽤ |
導⼊関連費(役務の提供) | 導入コンサルティングやマニュアル作成、導⼊研修、保守サポートに係る費⽤ |
補助額・補助率
業務プロセス数の要件により、通常枠の補助額・補助率が異なります。
補助額 | 補助率 |
---|---|
1プロセス以上:5万円以上150万円未満 | ■中⼩企業:1/2以内 ■最低賃⾦近傍の事業者:2/3以内 |
4プロセス以上:150万円以上450万円以下 | ■中⼩企業:1/2以内 ■最低賃⾦近傍の事業者:2/3以内 |
ITツールの業務プロセスとは、ソフトウェアが保有する機能を導入することで、特定の業務の労働生産性が向上または効率化される工程を指します。具体的には、以下のいずれか1つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアの申請が必要です。
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務・資金回収管理
- 供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
- 業務固有のプロセス
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
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IT導入補助金2025:複数社連携IT導入枠の概要

複数社連携IT導入枠は、生産性向上に役立つITツールやハードウェアを連携して導入する複数の中⼩企業・⼩規模事業者等を支援するための申請枠です。
補助対象者は、商工会議所や商工会等の商工団体や商業活性化に取り組む中小企業、複数の中小企業・小規模事業者等で形成される共同事業体などです。
複数社連携IT導入枠の補助対象経費や補助額・補助率を確認しましょう。
補助対象経費
複数社連携IT導入枠の補助対象経費は、以下の3つです。
対象経費 | 詳細 |
---|---|
基盤導⼊経費 | ■ITツール 会計ソフト・決済ソフト・受発注ソフトにかぎる(クラウド利⽤料は最⼤2年分) ■ハードウェア パソコンやタブレット、レジ・券売機等 |
消費動向等分析経費 | ■ITツール 消費動向分析システムや経営分析システム等(クラウド利⽤料は1年分) ■ハードウェア AIカメラやデジタルサイネージ等 |
その他経費 | 参画事業者のとりまとめに係る事務費や専⾨家費 |
補助額・補助率
補助対象経費によって補助額・補助率が異なります。
補助額 | 補助率 |
---|---|
基盤導⼊経費と消費動向等分析経費を合わせて3,000万円、その他経費は200万円 | ■基盤導⼊経費:1/2〜3/4、4/5 ■消費動向等分析経費:2/3以内 ■その他経費:2/3以内 |
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
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IT導入補助金2025:インボイス枠(インボイス対応類型)の概要

インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応するITツールの導入を検討する中⼩企業・⼩規模事業者等を支援するための申請枠です。補助対象は、インボイス制度に対応しており、会計・受発注・決済の機能を1種類以上有するサービスにかぎります。
インボイス枠(インボイス対応類型)の補助対象経費や補助額・補助率を確認しましょう。
補助対象経費
補助対象経費は、以下の2つです。
対象経費 | 詳細 |
---|---|
ソフトウェア・オプション・役務 | ■ソフトウェア ソフトウェア購⼊費やクラウド利⽤料 ■オプション セキュリティソフト等 ■役務 導⼊⽀援費や保守費等 |
ハードウェア | パソコンやタブレット等の購⼊費用や設置費⽤ |
補助額・補助率
補助額・補助率は、以下のとおりです。
補助対象 | 補助額・補助率 |
---|---|
ITツール | ■補助額50万円以下の場合:中小企業は3/4以内、⼩規模事業者は4/5以内 ■補助額50万~350万円の場合:中小企業・⼩規模事業者等は2/3以内 ※会計・受発注・決済のうち1機能は補助額50万円以下、2機能以上の場合は補助額350万円以下の申請が可能 |
パソコン・タブレット等 | ■補助額:10万円まで ■補助率:1/2以内 |
レジ・券売機等 | ■補助額:20万円まで ■補助率:1/2以内 |
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
参考:IT導入補助金2025「インボイス枠(インボイス対応類型)」
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IT導入補助金2025:インボイス枠(電子取引類型)の概要

インボイス枠(電子取引類型)は、インボイス制度に対応した「受発注」の機能を備えるソフトウェアの導入を支援するための申請枠です。
中⼩企業・⼩規模事業者等だけでなく、⼤企業も申請できるのが特徴です。インボイス枠(電子取引類型)の補助対象経費や補助額・補助率を確認しましょう。
補助対象経費
補助対象は、ITツールの導⼊費⽤(クラウド利⽤料最⼤2年分)です。具体的には、商品の受注・発注業務を効率化するクラウド型ソフトウェア「受発注ソフト」が該当します。
補助額・補助率
インボイス枠(電子取引類型)の補助額・補助率は、以下のとおりです。
補助額 | 補助率 |
---|---|
350万円以下 | ■中⼩企業・⼩規模事業者等::2/3以内 ■⼤企業等:1/2以内 |
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
参考:IT導入補助金2025「インボイス枠(電子取引類型)」
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IT導入補助金2025:セキュリティ対策推進枠の概要

セキュリティ対策推進枠は、ITツール導入でサイバーセキュリティ対策を強化する中⼩企業・⼩規模事業者等を支援するための申請枠です。
セキュリティ対策推進枠の補助対象経費や補助額・補助率を確認しましょう。
補助対象経費
補助対象は、ITツールの導⼊費⽤または最⼤2年分のサービス利⽤料です。
ただし、導入するITツールは、情報処理推進機構(IPA)が認定する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスが対象です。
参考:IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービス ユーザー向けサイト」
補助額・補助率
セキュリティ対策推進枠の補助額・補助率は、以下のとおりです。
補助額 | 補助率 |
---|---|
5万円〜150万円以下 | ■中⼩企業:1/2以内 ■⼩規模事業者:2/3以内 |
※太字は2024年度補正予算での拡充点
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
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IT導入補助金2025第1次スケジュールの詳細

交付申請は、2025年3月31日から受付開始が予定されています。
IT導入補助金は年間を通して複数の申請期間が設けられており、同年度内なら何度でも再申請することが可能です。ただし、締切日直前は申請マイページ・IT事業者ポータルへのアクセスが集中するため、計画的に準備を進めることが重要です。
以下に、各申請枠の2025年1次締切分のスケジュールをまとめました。
通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠 | |
---|---|
締切日 | 2025年5月12日(月) |
交付決定日 | 2025年6月18日(水) |
事業実施期間 | 交付決定~2025年12月26日(金)17:00 |
事業実績報告期限 | 2025年12月26日(金) |
※日程は「予定」で変更する可能性あり
数社連携IT導入枠 | |
---|---|
締切日 | 2025年6月16日(月) |
交付決定日 | 2025年7月24日(木) |
事業実施期間 | 交付決定~2026年1月30日(金) |
事業実績報告期限 | 2026年1月30日(金) |
※日程は「予定」で変更する可能性あり
2次・3次締切分のスケジュールを知りたい方は、以下のサイトを確認してください。
IT導入補助金2025 中小企業・小規模事業者向け「事業スケジュール」
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IT導入補助金2025登録申請の流れ

IT導入補助金2025の登録申請は、以下のような手順で進めます。
- 補助事業について理解を深める
- 「gBizIDプライム」アカウントの取得・「SECURITY ACTION」の実施
- IT事業者・ITツールの選定
- 交付申請
- 交付決定
- ITツールの発注・契約・支払い
- 事業実績報告
- 補助金交付
- 事業実施・効果報告
交付申請の要件には、法人代表者・個人事業主向けの共通認証システムのアカウント「GビズIDプライム」が必要です。GビズIDプライムは発行されるまでおおむね2週間かかるため、保有していない方は早めに申請手続きを済ませましょう。
また、交付申請には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の自己宣言も必要です。交付申請作成時にアカウントIDの入力が必要なため、保有していない方は早めに手続きを済ませましょう。
なお、複数社連携IT導入枠は、申請フローや交付決定後の手続きが異なります。利用したい方は、詳細を確認したうえで交付申請を進めましょう。
参考:中小企業庁「サービス等⽣産性向上IT導⼊⽀援事業『IT導⼊補助⾦2025』の概要」
参考:GビズID
参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「SECURITY ACTION」
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IT導入補助金は、人事業務を効率化できる人事管理システム導入にも活用できます。
IT導入補助金の公式サイトでは、人事管理システムを導入した活用事例も紹介されています。DX推進を検討している場合は、IT導入補助金をうまく活用するのがおすすめです。
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まとめ

業務効率化やDX化を推進するには、業務を自動化できるITツールの導入が有効です。
導入したITツールが定着すれば、業務効率や生産性の大幅な向上が期待できます。ただし、ITツールの導入には多額の費用がかかるため、金銭的な負担が大きいです。業務効率化やDX化を推進したいなら、IT導入補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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カシオヒューマンシステムズコラム編集チームです。
人事業務に関するソリューションを長年ご提供してきた知見を踏まえ、
定期的に「人事部の皆様に必ず今後の業務に役立つ情報」を紹介しています。